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「⋯⋯っあ?」
小鳥のさえずりで目が覚める。頭が痛い。昨日何か⋯⋯えっと確か⋯⋯?
(⋯⋯よく思い出せない⋯⋯最後博士が居たのは覚えてるけど)
それ以外の記憶がぼやけていて、具体的な内容はわからない。
(えーっと、サンズが来て、なんか怒られて、気持ち悪くなって、博士来てから気絶したんだっけ⋯⋯)
周りを見回すと、部屋が変わっていることに気付いた。温かみのある(おそらく)木造の部屋から一転して、機械的な白色に囲まれた、近未来を感じさせる部屋になっている。俺が寝ている間に移動したのだろうか。
ウィーン
(ん?)
目の前の近未来的な、大きな扉が前触れも無く開く。
扉が開いた先にいたのは⋯⋯
博士だった。手には、機械がゴチャゴチャと入ったダンボールを持っている。
「ああ良かった! 目が覚めたんだね? すまない、君が目覚めない原因を調べる為には結構大掛かりな装置を使う必要があってね、此処に運び込んだんだ」
「あ、いえ、あれ声出てる、ああいや、気にしないでください。助けてくれてありがとうございます」
(まあ記憶ないけど)
「今の気分はどうだい? 良さそうなら、早速だが実けんん゙ん゛じゃなくて検査を始めよう」
「うーん、あんまり、よくはないですね⋯⋯。なんだか、頭にずっと⋯⋯拳で殴られ続けてるみたいな、鈍い、痛みが「じゃあ始めるよ!」あれ話聞かないタイプの博士だったか?」
博士は俺の話を遮って、ゴチャゴチャしたダンボールの中から、沢山の管が伸びたお椀を取り出し、勢い良く俺の頭に被せた。
「⋯⋯えっ?」
「自覚がないかもしれないが、今の君はとても不思議な状態なんだ。本来なら死んでいるだろうダメージを受けた上で生き残り、ソウルは砕け散った痕跡があるのに身体が塵になった様子はなく、ソウルは完璧とまではいかずとも見た目以外は八割以上再生している」
「んんん?」
「身体が塵になった後ソウルが少しの間残るという実例はあるがその逆は存在しない。さらに身体の傷を癒す方法はいくらでもあるがソウルに直接付いた傷を治す術は存在しないとされていた。しかし! 君が! その定説は間違いだったと証明して見せた!!」
「ひえ⋯⋯」
「ああそうだ、自己紹介がまだだったね? 私は“ガスター”、このラボの最高責任者だ。さぁ、実験を始めよう!!」
この後どうなったか? 聞くな、思い出したくない。
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作者名:名無し40992号 | 作成日時:2024年2月27日 20時