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結局、あの医者？ 看護師？ 二人は俺が目を覚ましたことに気付かず、部屋の灯りを消して出て行った。クソが。
「⋯⋯っ、⋯⋯ッ！」
悪態を吐いても全身を焼くような痛みは消えず、じわじわと生理的な涙が浮かんでくる。
何故か身体が動かないし、声も出せないから体勢を変えることや助けを呼ぶことも出来ない。ただひたすらに痛みに耐えるしかない。
(てめぇらの目は節穴かぁ！！？ 目ぇかっぴらいてんだから横から見ても起きてるって普通にわかるだろッ！！)
結局その晩(？)は全身の痛みで一睡も出来ず、ずっと二人組のの悪口を心の中で叫んでいた。
─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
それから寝て起きてをそれぞれ二十回ぐらいずつ繰り返した。つまりは多分一ヶ月くらい経ってる。
(⋯⋯疲れた)
いや本当に疲れた。痛みで全身が力んでいたせいもあるが、この頭の疲れは心の中で悪口大会(一人)をしていたせいだと思う。声出してないのに実際に叫んだような心地だ。
全身の痛みは大分引いて(というか慣れて)、おそらく朝になった。一晩中試してみたが、身体は結局動かなかった。
ガラガラ
「おはようA、いい朝だね」
(いや昨日からずっと全身が痛いからいい朝ではないかな)
「おはようさん。もうそろそろ起きた方がいいんじゃないか？」
(いや起きてんだよとっくに)
お前らが気付いてないだけでな！！
「じゃあ“サンズ”君、それ取って」
「はいよ」
(片方はサンズね⋯⋯)
というか今から何をするのだろう？
「じゃあ、サンズ君は数値の記録お願い」
「腕に付けりゃいいんだったな？」
そう言いながら、(おそらく)サンズがこちらに近付いてくる。
そういえば、顔を動かせないから二人の姿を見たことがない。視線を動かしても本当にギリギリ見えない位置にいるんだよなこの二人。
(さてさて、サンズ君とやらはどんな見た目を⋯⋯え？)
「うん？ ここの金具ってどうやって外れるんだ、“博士”？」
(博士？？ ここ研究所かなんか？？ いや違うそこじゃない)
なんで、
(なんで骸骨が喋ってんだよぉぉぉ！！！？)
「あ、向き逆か」
え？ここ異世界とかだったりする？！ 俺知らぬ間になろう系小説みたいな転生してた？？！
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作者名：名無し40992号 | 作成日時：2024年2月27日 20時
