プロローグ ページ1
ガシャン、ガシャン、ガラガラ
······何かが、崩れているような音がする。
『いやぁぁぁぁ!!!! ───ーッ!!』
『子供が! 子供が巻き込まれたぞ!!』
······誰かが、叫んでいる声がする。
『おい誰か───を──────ッ!!』
『────! ────────!!』
必死な声は少しずつ音が小さくなり、何を言っているのか聞き取れなくなり、やがて何も聞こえなくなった。
視界は薄暗く、ぼやけている。身体があることは分かるけれども、何故か動かすことが出来ない。
これは夢だ。きっと夢だ。自分は確かに、柔らかいベッドで寝ていたはずなのだから。夢だと気付いたのだから、すぐに起きれるはずだ。
············。
寒い。さっきまで何ともなかったのに、なぜ······。
少しだった寒さは、全身に、急速に広がった。まるで氷でも当てられたかのように全身が冷たく、痛い。
寒さの次は、眠気が襲ってきた。やっとだ。やっと、この最悪な夢から覚められる。
俺は、その眠気に従い、目を閉じた。
「─────おい! まだ生きてる奴がいたぞ!」
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作者名:名無し40992号 | 作成日時:2024年2月27日 20時