How to cure【実/況/者】 (ページ21)

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ky_発熱_#01 ページ21

俺の隣でニコニコしていた
彼女の異変に気がついたのは
イベント後の大人数打ち上げ終了間近のこと。

「ん、ありがとう。」

出来ることといえば隣にお冷を回すぐらい。

打ち上げが終わり各々が帰路へつき始めた頃。

「マコ乗らないの？」

タクシーが続々と目の前に到着する。

「ちょっと酔い覚ましてからにするよ。
楽しかった！またね！」

またね！なんて可愛らしく元気に言われちゃ
言われた側は
「いやいや、良いから乗りなよ」なんて言えず、
手を振り返すなり、軽く会釈して乗り込むなり。
そんなやり取りを繰り返して残るは俺のみとなった。

「…キヨは？」

「もう俺しかいませんけど。
そろそろ良いんじゃないんですか。」

明らかに彼女の張っていた糸が緩んだ。

「いてくれて楽しかったけど、
強制じゃないんだから帰っても良かったのに…」

「ぐうの音も出ません。」

「いつから体調悪いの。」

「…分かんないや。徐々に悪くなってきた感じ。」

「ちょっと失礼。」

おでこに手を当ててみたら当たり前のように熱くてため息をついた。

「とりあえず俺の家帰るよ。看病はするから。
ひとまず動けるまで休憩しな。」

タクシーを呼んで2人で乗り込んだ。