twc,fan_過呼吸_#02 ページ20
彼女だってもう何が起こったのか
分かっているようだが
それ故、恐怖で埋め尽くされてしまっている。
「マコ。大丈夫、タヒにはせんから。
腹式呼吸な。マコなら分かるでしょ?腹式呼吸。
鼻から吸ってゆっくり口から吐いて。」
この子はアホじゃない。大丈夫。
「そぉそぉ。出来てるからな〜
towacoさん、なんでもいいからタオル取ってきてあげて」
背中を擦る手を交代してタオルを取ってきた。
「取ってきた。」
「おん、ありがと。タオル、軽く口元に当ててやって。」
なるほど。
これで口から吸い込む量を制御してやるってことか。
「タオル当てるからちょっと苦しいからな。」
ベットの上に乗ってから横から彼女の口元をタオルで覆った。
が、反射的に逃げてしまうので一旦タオルを外すことにした。
「ごめ…っ…」
「なぁんで、あやまんねん…
苦しいもんは苦しいよな…もうちょい頑張ろな。」
ふぁんきぃがボソッと呟いた。
彼女の体ぐらい包み込める体格差があってよかった。
俺の首元に顔が来るぐらいなので
そこら辺にタオルを置いて後はとにかく待つ。
右手は彼女の頭に固定。
ふぁんきぃはマコの背中をずっと擦ってくれていた。
…どれぐらい経ったのだろう。
デジタル時計を見ると5時過ぎを示してしていた。
約1時間の戦いの末、彼女は疲れ果てて寝てしまった。
布団にゆっくり彼女を倒した。
「わっさん、お疲れ。」
「ん。あぁ…ふぁんきぃさんも。」
「わっさんも、もうそこで寝ちゃえ。」
いや、人がいたら寝れんねん…そんな頭がありながら
次に目覚めると15時だった。
…まぁ実況者ともなると普通ではある。
おまけに横を見ると彼女はいなかった。
もはや夢だったのでは。
リビングへと向かうと薄いデニム色の座椅子に座り
その上には猫が重しをかけている姿があった。
「おはよ。とわぽん。」
「おはよ。」
「お、わっさん、おはよ。
ホットケーキ作ったけど食う?」
「おはよ。食べる。」
ホットケーキを食べながら話が進んだ。
〇〇はかなりの粘着質で
ここ最近、ずっと追いかけてきていて
警戒はしていたのだが、
まさかこうなるとは思ってもなかったこと。
「…さ。マコ。今後どうしよっか。
多分やけど入れられたんは睡眠薬。この場合やと…」
だてに10年間Barの店長をやってた訳じゃないやつの知識。
「残念ながら、泣き寝入りする性格じゃないんでね。」
落ち着いてしまえば、一挙に怖くなるやつ。
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作者名:みこと | 作者ホームページ:http://なし)ー
作成日時:2023年10月14日 22時