殺し方7 ページ12
「ンだこれ。？ふわふわする。ふへ」
そこら中に空き缶が転がっている。
飲み口からアルコールが垂れて、フローリングが所々濡らしているものもある。
そのせいで部屋にアルコール臭さが染み付いている気がして、思わず鼻を摘んだ。
机に突っ伏している彼を横目に時計に目をやると、既に短針は1の数字を指そうとしていた。
「すげえ。二人いる。」
何もない空間に手を伸ばす彼を見て、ただただ呆れる。
本当なら、急性アルコール中毒で自らの手を下さず殺すつもりだったのに。彼がこんなにも酒豪だなんて、想定外だった。
たまらず溜息を溢すと、顔に空き缶をずいと近づけられた。
「Aもいるか？うめえぞ、これ。」
いつもの性悪顔とは違い、純粋無垢で頬を綻ばせている少年にしか見えなくて、余計に頭を悩ませる。
『いらない。あと、酒臭い』
ああもうどうやって殺せば良いんだ。
頭を掻き、悩んでいると隣から、鼻を啜る音が聞こえた。
「そうだよな、いらないよな、おれからもらったものなんて。へへ、ごめんな、もうやらない、」
涙と鼻水で顔をべちゃべちゃにして、自虐的に謝ってくる彼を見て、胃がキリキリと痛む音がした。
「おれちょっと涼んでくる」
そう言い、空き缶片手にしんみりとした雰囲気を纏いベランダに向かう彼。
側から見ると、痴話喧嘩したカップルのようでなんの茶番を見せられているのだ、と心の中でバカバカしいと呟いた。
窓越しに見える背中を見つめていれば、突き落としてくださいと言わんばかりの状況だな、と頭が冷静に理解し始めた。気づいた時には、目の前に彼の背中が迫っていた。
どん。
彼が振り向きざまに背中を押した。
状況が把握しきれていないのか、目を見開くだけで抵抗の一つもしてこなかった。
重力に逆らうことなく彼の体が落ちた鈍い音がした。
下を覗くと、潰れて四肢が四方八方を向いている彼の姿があった。回収しないとな。罪悪感よりも、倦怠感が身体を渦巻く。
暗くて血や臓器が飛び散っているのは、確認できない。
ベランダの壁に背をずるずる擦り、座り込んだ。
タバコを一本手に取り、火をつけ口に近づける。吸い込んだ瞬間、肺に煙が勢いよく入り込み、思わず咳き込む。
こんなまずいものいっつもキミは嗜んでいたのか。
煙草がひしゃげるくらいにぐりぐりと灰皿に押し付けた。ベランダからリビングに入ろうとすると、玄関からノックが聞こえた。
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。(プロフ) - ポメさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！そこまでストレートに褒められるなんて光栄です。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月27日 23時) (
レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
ポメ(プロフ) - 言葉に表せないくらいに最高です!!!! 次回の更新も楽しみにしてます！ (3月27日 6時) (レス) id: 8673ceb004 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - あさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！褒め言葉で究極とまで言われてしまうとは、嬉しい限りです。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月14日 0時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
あ - は〜〜〜え〜〜、なんか、何だ、もうあれです、究極的に好き…。楽しく(？)更新頑張ってください、待ってます！ (3月13日 18時) (レス) @page9 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ヨーグルトさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！感想だけでなく、応援まで…モチベーション上がりまくりです！更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (3月11日 23時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作成日時：2024年2月3日 23時
