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ぐさり。
「っ！」
「いってェ〜、」
「これで満足かよ、Aチャン。」
確かに刺したはずなのに。血の一滴すら流れていない。
明らかに痛みを感じていない。嫌でも、彼の表情からわかってしまう。濃紅の双眼を細め、口角は弧を描いている。
今すぐにでも、もう一度刺してやりたい。
そのきめ細かな陶器のような肌に刃先を突き立て、そのまま此奴の腑へと一直線に切り裂いてやりたい。宝石が丸々嵌め込まれている様なその眼をくり抜いてやりたい。
しかし、憎悪が入る隙が無いほどに絶望で自身の心は満腹になってしまったみたいだ。
思わず、膝から崩れ落ちた。
『なんでよ、なんで死なないのよ！！！！！！！！
早く死ね！！！！アンタなんか』
『…お願いだから、死んでよ、』
つい先程まで、あんなに威勢が良かった声が段々と弱々しく心許なくなっていくのが自分でもわかる。
「おーおー、育ちが悪いなァ。アイツの前じゃ、いい子ちゃんなのにな」
『うるさい。』
涙が出てくる。
弱い姿を見せたくないが、視界が歪んでいく。すぐに頬に、冷たいモノが滴ってくる。嗚咽も混じり、まともに喋れない。
「だから、言ったろ？オレはグリムリーパーだから、簡単には死なねえって。まあでも、殺す以外に死期を延ばす方法なんてねえしな。」
「半分正解で半分不正解ってトコか？」
ケラケラと笑う彼に、苛立ち以外の感情を覚えることができない。一方的に笑われていると思うと、なんとも癪だ。
目元を力任せに袖口で擦り、キッと睨み返す。
『なによ、グリムリーパーって。カッコつけてんじゃないわよ。偉っそうにモノ言わないでくれる？』
『アンタのこと大嫌いだから』
いい気味。
先程まで愉悦に濡れていた顔が歪められ、顰めっ面になっていく。
「フーン、言ってくれんジャン？オレはお前のこと大好きだけど。」
は、
気持ち悪い。
しかし、彼が本気だということは恍惚に色付いた頬と私まで溶かされてしまいそうな眼を見れば一目瞭然であった。
正直、理解したくもないしそんな事実を馬鹿正直に受け止めたくもない。だが、今はそんなこと気にしていられない。愛するキミのためなら都合が良い、と割り切るしかないのだ。
『気持ち悪いこと言わないで。』
「ははッ、ひっでえ」
「今日含めて、あと10日間よろしく」
右手を差し出してきた彼に、左手を差し出し返す。
「！、しょうがねえヤツだな。」
左手で強く握ってくる彼に、思い切り満面の笑みを贈った。
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。(プロフ) - ポメさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！そこまでストレートに褒められるなんて光栄です。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月27日 23時) (
レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
ポメ(プロフ) - 言葉に表せないくらいに最高です!!!! 次回の更新も楽しみにしてます！ (3月27日 6時) (レス) id: 8673ceb004 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - あさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！褒め言葉で究極とまで言われてしまうとは、嬉しい限りです。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月14日 0時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
あ - は〜〜〜え〜〜、なんか、何だ、もうあれです、究極的に好き…。楽しく(？)更新頑張ってください、待ってます！ (3月13日 18時) (レス) @page9 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ヨーグルトさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！感想だけでなく、応援まで…モチベーション上がりまくりです！更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (3月11日 23時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作成日時：2024年2月3日 23時
