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何が聞きたいのか、何となくわかる気がする。でも自分から言う必要は無い。
数分後隼人が戻ってきて教室に入らないのかと言われたが同じくトイレといって教室に入ることを拒んだ。
「さっき行った時に行っておけよな。」
「ごめん、先入ってていいよ。」
申し訳なさそうな顔をして謝ると別にとそっぽを向いて教室へ入った。
Aはトイレへと続く廊下を少しだけ歩いたが止まって来た道をもどる。別にトイレに行きたかったわけじゃない。教室に入らないでいい理由が欲しかっただけだ。
足音を立てないように最初に爆破された廊下の端に立って周りをみる。
たまにすきま風がはいってくるのかカランと瓦礫の落ちる音が廊下に響く。この今たっているところもいきなり崩れたりするのだろうか。そんな事を考えながら足を投げ出し座り込んだ。
カラカラと瓦礫の破片が下に落ちた音がする。危険だと分かっていても、もしこのまま落ちてしまっても仕方がない、澪奈への償いになるのであればいいかもしれないそう思えてしまう。
投げ出した足はそのままで寝転ぶと天井の亀裂が見えて、いかにも落ちてきそうな形をしている。ゆっくり目を瞑ると誰かが頭の上の砂利を踏んだ音が聞こえたけど睡魔には勝てそうになかった。
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作者名:ゆゆたま | 作成日時:2020年4月9日 1時