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「なにやってんだろ...。」
教室の前まで走ったが一体なにを信じてるというのだろうか。先生が中尾くんを殺してないってこと、本当はこんなことしたくないこと...考えるだけでたくさんの事がでてくる。
何故こんな言葉がでてしまったのか分からないけどまずはこの静まり返った教室の扉をどうあけるかだ。
多分みんなもう寝ていていま開けると大半の生徒が起きてしまうだろう。
どうしようかと手を取手にかけたり下ろしたりしているとガラッと勢いよく扉が開いた。
「さっきからなにウロウロしてんだよ。」
「隼人...。」
隼人の後ろから寝ていたであろう石倉がふにゃふにゃとなにか声をかけているがトイレだといって後ろ手に扉を閉めた。
「体調大丈夫か。」
「どうしたの急に。私の事嫌いでしょ。」
「...。」
そういう訳じゃ、と口ごもる彼はなんとも気まずそうな顔をして頬をかく。
隼人に夢を諦めるなんて馬鹿みたいだと無責任なことを言ったばかりに関係は悪化してしまったのだから嫌われて当然だ。
変な沈黙が続き、耐えかねたAは子供たちの様子を聞いた。隼人には年の離れた兄弟がいる。
母親は介護が必要で今日一日家に帰れていないから心配しているのでなないかと思った。
「朝は昨日お前が置いていった飯食ってたから大丈夫だ。」
「ならよかったよ。多分この事件のことは他の先生が伝えてくれてるかテレビでしってるはずだよね。」
「ああ。寂しくさせてないといいけど。」
隼人はなにか言いたそうにしていたが間が悪いのかトイレとだけいってAの元を離れた。
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作者名:ゆゆたま | 作成日時:2020年4月9日 1時