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ある日澪奈が突然茅野さくらって何者?って聞いてきたのがはじまりだった。
私と澪奈は3年のクラス替えのときにたまたまクラス表が貼り出されている近くでぶつかってしまったのがきっかけだ。
景山澪奈という人物が凄いことはもちろん知っていたので転けた彼女に慌てたのは今でも忘れない。
「か、景山さん大丈夫ですか!?怪我してたらどうしよう...!」
「私は大丈夫だよ。そっちこそ大丈夫?」
片手でスカートの土埃を叩き終えるとにっこりと笑った。その笑顔が今まで見た女の子の中でとびきり輝いていてああ、この子は生まれ持っての素質があるんだろうなと思ってしまう。自分を卑下する癖はずっと変わらないのだろうか。
まだ言葉に出さないだけマシなのかもしれないが...。
「クラスどこだった?」
あれで終わったと思った会話がまだ続いていた。
慌てて今から見に行くところと言うと私もだよといって手を引かれる。あの景山澪奈が私と手を繋いでいる。それが夢なのか現実なのかしばらく理解できなかった。
クラス表を見ながら彼女はAさんに一度会ってみたかったのとAだけに聞こえるように小声で囁いた。
その時は聞けなかったが後になって聞くと1.2年のときはクラスも違って澪奈は部活をしていてAは帰宅部。学校に行っても美術室に言ってみたり屋上で昼寝したり彼女とは全くもって違う生き方をしていた。
「それに成績優秀でしょ?」
彼女はいいなぁと椅子に凭れ直し背筋を伸ばす。学校でやるより家でやった方が効率がいい。それだけの事だった。
もちろんわからない所は出席して聞いたりもしたが教えて貰うことを無意味だと感じてしまいサボりがちになってしまった。
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作者名:ゆゆたま | 作成日時:2020年4月9日 1時