あすこ ページ8
貴女「……い、………る…?」
滑津「ふ……ち……!」
貴女「おい、……えるか?」
滑津「ふた…ち!ふたくち……!」
貴女「おい!!聞こえるかと聞いてるんだ!!」
二口「聞こえてるよ」
凛とした声が正常に届いた
滑津「二口!よかった!目を覚ました……!」
愛しく思うこいつの声も
よかった、正常に届いた
こんなに心に響いた
貴女「よかったな、鬼に変わる前に助け出せた」
滑津「Aちゃんから聞いたんだ!妖になった者を救うには陽の気が大きい者と妖になった者との接点が多い者しか救えないって!」
貴女「この子は素晴らしい、その役割を2つとも持っていて、しかもやりとげたんだ」
滑津「二口が無事でよかった……!」
俺が礼を言おうとした瞬間、滑津は崩れていった
びっくりしたが、A曰く力の使いすぎ、眠っているだけだって
貴女「起きたらきちんと礼を言えよ?」
二口「当たり前だろ」
俺のために頑張ってくれた彼女に心から感謝を伝えるんだ
貴女「……さて、私はそろそろ行くかな」
二口「どこへ?」
貴女「ここじゃない、どこか遠い所へ。元々ここにこんなにい続けるつもりではなかったし」
俺は何だかんだいいつつ、こいつを気に入っていたらしい
寂しい、という感情が沸々と湧き出てきた
そんな俺を察したのだろうか
アイツがニマニマしながら顔を覗き込んできた
貴女「お前を助けるために必要な条件がもう1つあるんだ、聞きたいか?」
俺は無言でうなづいた
貴女「……お前のことを"愛しい"と思ってる者だよ」
二口「それ………って……」
貴女「じゃーなー!頑張れよー!!!」
俺は今世紀最大の赤面を晒してるに違いない
顔だけでなく体も熱かった
俺は立ち上がって腕を振った
二口「おう!!!!お前も……Aも頑張れよー!!!!!!」
空高く飛んだアイツには聞こえてなかったかもしれない
でも、俺には確かに感じたんだ
アイツが笑っているのを
……あれ?
俺なんでアイツの名前知ってるんだ?
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