此処 ページ4
二口「…そうだ、俺は人間だった」
いつ妖になり始めたのかわからない
もしかしたら最初から妖だったのかもしれない
人間の皮をかぶった妖……
哀しくて笑ってしまいそうだった
いっそ記憶ごと無くなって完全な妖になってしまえたらどんなに楽なのか…
人間としても中途半端
妖としても中途半端
人間にも妖にもなりかねた者
気持ち悪いったらありゃしない
でも____
貴女「アンタもしかして想い人いた?」
二口「ハッっ!?!?いねぇしそんなヤツ!!!!明るい茶髪を髪の毛横に流してる元気な可愛い子なんて知らねぇし!!?!?」
貴女「好きだったんやな…」
俺バカだわ
自爆したよ
自分から晒しに行ったよ
顔に熱が集まるのが分かった
貴女「その子の名前なんて言うん?」
二口「……滑津……滑津舞……」
貴女「へー!可愛い名前やね!」
この狐がニッコニコとしやがるからどんどん俺が小さく感じる
やめろもう聞くな、自爆したくない(本音)
貴女「どんな子?どんな子?」
二口「ぜってぇ言わねぇ」
貴女「あっ、舞ちゃん」
二口「((バッ」
貴女「嘘ぴょ〜ん、後ろに舞ちゃんはいませーん」
二口「殺す」
思わず物騒発言をかましてしまった
そしてコイツがしつこいので俺は仕方なく話すことにした
二口「明るい茶髪の髪を右に流して縛ってるんだ。前髪はそれなりに長いけど7:3の割合で多い方を左にしてる。目はパッチリしてる」
話すうちにどんどん懐かしく感じてきた
楽しく感じてきたんだ
二口「俺とよく言い合いしてた。だからその度に青根とか茂庭さんに止められてたなぁ…。ウザったらしく感じても結局楽しく感じてた。楽しく感じてたけど…俺滑津に酷い事言ってたな…」
貴女「例えば?」
二口「ババアとか」
貴女「サイテー!!(裏声)」
二口「俺ジジイって言われたからな!?」
貴女「どっちもどっちか!!!」
確かにそうだけど
こんな姿になった今は、謝りたい気持ちがおおきい
貴女「どんな声だった?」
二口「んーと…耳に届きやすいキーンとしすぎない声……「二口ー!!!!」そうそうこんな…」
二貴「「え????」」
幻聴かな、滑津の声が聞こえた
しかも誰かを呼んでた
俺を探してる声だった
俺は二口って人間じゃないのに
何故か俺を探してるって思った
おかしいな
近い
こっちに来てる
36人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ