にじゅうご ページ26
黒尾「おかわり！！」
及川「おかわり！！」
赤葦「おかわり！！」
貴女「貴方達ねぇ……」
もっと落ち着いてゆっくり食べられないんですか？？？
私の声は彼らのおかわりコールによって掻き消された
お風呂から出てきた彼らは体が火照り、特有の男子臭もなくなっていた
黒尾さんの髪の毛を拭いている時にそれに気付いた
彼のあの頭は寝癖だ
お風呂に入ると「誰だテメェ」と言われるような変貌を遂げる
髪から垂れている、元は温かかった水を拭いてあげる
ホントは1人で出来るはずなのに彼は私を見つけると何もしないでこちらに向かってくる
そして拭いてと言わんばかりの視線を寄越すのだ
私はそれに強く言えない
「はいはい」と返事をし、彼の頭を拭く
長い黒髪、でも私とはどこか違う
私に大人しく拭かれている彼は目を閉じ身を委ねる
それが嬉しく、幸せであった
乾燥してきただろうというところで手を止め、櫛でとかす
さらさら、なのに猫っ毛
愛しく感じ、頭を撫でる
初めは彼もビックリするものの、どこか幸せそうな笑みを浮かべる
そこまでは良かったのだ
私は後ろに背後霊ならぬ化物がいたことに全然気づいていなかったのだ
そう、及川さんと赤葦さんだ
驚きの余り手元にある黒尾さんの頭を抱いてしまったところ、彼らは奇声を発した
「「ア"ァ"ア"ァ"ァ"ア"ア"ア"ア"！！！」」
黒尾「」
貴女「ぃ、」
「いやぁぁああああああああ！！！！！」
その後というと、私達は私の悲鳴を聞いて駆けつけた人達によって発見された
それはちょうど私が及川さんと赤葦さんに裏拳をかましてる時で、側で
花巻「ここで蓬香選手の裏拳が炸裂だァ〜！及川&赤葦選手起き上がれるか！！？1、2、3！！！カンカンカンカンカーン！！！！！蓬香選手の勝利〜！！！！！」
松川「綺麗な裏拳が出ましたね、的確に意識を沈める鳩尾を狙ってやったんでしょう、白目剥いて倒れてます」
と実況されていた
多分彼らも混乱していたんだと思う
そして黒尾さんはというと
灰羽「黒尾↑↑サァ"ァ"ア"ァ"ン↓↓！！！」
灰羽さんが夜久さんを呼んできた
私に抱えられた彼の頭は必然的に私の胸に収まるわけで、
私はしこたま怒られた、とにかく怒られた
黒尾さんは鼻血を出し、私の長ズボンにたれていた
Tシャツは黒だから目立たないが、血は酸化すると黒くなる
長ズボンを脱いで短パンで過ごすことになりました
ていうか何で赤葦さんここで食ってんの
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