じゅうはち ページ19
貴女「すみません、これお裾分けです」
武田「えっ！」
ウチ用とは別に作っておいた烏野用のはちみつレモン
ほんとはもっと早くに渡したかったのだが潔子さんに見つめられすぎて準備が終わらず渡せなかった
貴女「はちみつレモン…と、あといちごタルトです。これなら崩れにくいだろうと思って」
武田「わぁあ！おいしそうですね！ありがとうございます！！皆ー！」
澤村「どうしたんですか？」
烏養「あれ、甘い匂いしないか」
東峰「なんですかー？」
澤村さんを筆頭にゾロゾロとやってきた
そして中には興奮する人もいた
田中「まさかそれは…！」
西谷「伝説の……！！」
田西「「女子の……手作り……！！！」」
澤村「うおっ、すげぇ美味そう！」
影山「食べていいすか？」
菅原「帰る時な！」
タニシ(田中西谷)コンビの言葉を華麗にスルーした他の部員に内心賞賛しつつ、私は電柱君を見た
目が輝いてる気がする
貴女「電柱君」
月島「月島です」
貴女「御気分を害してしまったので……苺好きですか？」
月島「"電柱君"って呼ばれることに不快感ありますけど………」
山口「ツッキーはいちごのショートケーキが好きなんですよ！」
貴女「なるほど、可愛いですね」
少し微笑むと彼はほんの少しだけ顔を赤らめ、私から逸らした
その他にも同じような部員もいた
もしくは赤らめながら私を見るか
清水「Aちゃん……それはだめだよ……男子の前でしちゃ……」
貴女「私何もしてませんよ？」
烏養「無自覚ってやつだな……ほらお前ら目を覚ませー！」
首を傾げていると肩に手を乗せられた
この手は…
貴女「黒尾さん？」
黒尾「……帰るぞ」
少し不機嫌そうな顔をして彼はそう言った
貴女「そうですね、もう時間ですし。それに貴方に渡さなきゃいけないものもありますし」
黒尾「え！？」
そういった瞬間不機嫌そうな顔はどこへやら
消え去って私の好きな彼の顔になった
貴女「それじゃ、ありがとうございました」
烏野にお礼を言って私達はバスに乗った
いい経験だった
烏野はもっと上へ行く
勿論うちも負けてられない
負けないで上へ上へ行く
貴女「黒尾さん和菓子好きでしたよね」
黒尾「うん、好きだよ？」
貴女「豆大福いります？」
黒尾「いる！」
一瞬にして猫耳が生えたぞこいつ
貴女「実はこれ黒豆を使ってるんです」
貴女「貴方と同じ黒ですね」
彼は失神して私は夜久さんに注意された
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