ミツバ篇5 ページ5
『ミツバ姉!?!?倒れたって!大丈夫ですか?!』
ガラッと襖を開けるとミツバ姉の旦那と万事屋の旦那とザキと、土方さんが居た。
『副長…』
ザキに押さえつけられていた当の副長とは目が合わなかった。
そこでミツバ姉の旦那が口を開いた。
「もしかしてその制服は、新選組の方ですか?
ならば、ミツバの弟さんのご友人?」
なんだコイツ。めちゃくちゃ地雷踏んでくるじゃん。
「友達なんかじゃねぇですよ。」
総悟…。コイツもタイミングってのがあるだろ。
襖の近くでスタンバってたんか?コラァ。
はぁ。めんどくさいなあ。
ここはまぁ、男の意地の戦いってか。
私は入る隙もないって事ね。
しかしなんだ。ミツバ姉の旦那どこかで見た事があるような。
ザキをぶっ倒して屋敷から出ていく副長の背中を見つめながら、考える。
すると、隣の部屋からAちゃん、と弱々しい声が聞こえた。
『ミツバ姉!ここに居たんですね!体調は大丈夫ですか?』
さっき私達は別れたばかりで、その後すぐに倒れた。そして近くには副長がいた。
これだけあれば何となく察することは出来る。
『ミツバ姉。結婚間近に聞くことじゃ無いってのは承知で一つだけ、良いですか。』
ミツバ姉は少し目を見開いた後、全てわかったかのように目を閉じて微笑んだ。
「Aちゃん。私には度胸も何もかも足りなかったのよ。そばに居たいから連れて行って、好きだから、その一言すら言えなかったのだから。でもね、後悔はしていないわ。お互いに今の幸せがある…ゲホゲホのだからね。」
ミツバ姉…。私は知ってるんだよ。ミツバ姉は嘘をつくとき絶対に目を合わせないってことを。
でもこれはミツバ姉が決めたことだから。私が口を挟んでいいものではけっしてない。
だから、私が出来ることは
ミツバ姉が幸せに生きる
その手伝いをすることだ。
相手が誰であれ。
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作者名:サメハル | 作成日時:2023年1月9日 16時