検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:11,588 hit

ページ4

海人side








「え?」

「廉にとって、きっと邪魔になると思うんです」

「そんなの分からないでしょ…」

「分かりますよ、俺には。廉は器用じゃないから。特にこういう問題に関しては。廉があなたにも好かれてるって知ったら、きっと申し訳なく思うでしょうね。そして苦しんでしまう。だったら、俺1人の愛で十分じゃない?」

廉に害を与える全てのものは、必要なくてむしろ邪魔だ。

「廉も俺のことだけが好きだから。そういうわけで、廉から手を引いてください。今すぐに」

「言われなくてもそうするわよ」

「良かった!じゃあ、これで失礼しますねー」

その場を離れる直前、「狂ってる」という声が聞こえたが、それに反応せずに俺は楽屋を出た。

自分の愛が他の人と違うのも、俺が狂っているのもとっくに知っている。

廉のことが好きすぎた結果だから、これは仕方ない。

自分達の楽屋に戻ってくると、他のメンバーは居なくて廉だけがスマホを弄って待っていた。

「廉、お待たせ!すぐ準備するから、ちょっと待っ…」

「かいと」

ボソッと呟いた声で呼ばれたかと思えば、思いっきり抱き着かれて、背中に回された手は俺の服を強く掴む。

「れ、廉…?」

「女の人に呼ばれとった。何してたん…?」

「嫉妬してくれたの?廉」

「ん。海人、モテるから心配になった」

「もー、可愛すぎる!心配しなくても、俺が好きなのは廉だよ。これから先、廉以上の人なんて現れないから」

そう言って抱き締めてよしよししてやれば、嬉しそうに俺の肩に顔を埋めた。

「俺も海人だけやから。浮気したら許さへんよ」

「するわけないじゃん。廉のことしか愛せないのに。でも、そうだなぁ。一生ないと思うけど、万が一俺が浮気したら俺のこと殺して。俺の命も人生も、廉に預けてるから」

「海人がおらん人生なんて生きてても意味ないから、そうなったら俺も死ぬ。浮気できひんな?」

してやったり顔の廉が可愛くて、顔がにやける。

互いに依存しているという意味では、俺も廉もきっと同じなんだろう。

「紫耀達が待っとるって」

「え!?先に言ってよ!怒られちゃうじゃん!」

廉が浮気したら、俺はきっと二度と廉を外の世界に出さないだろう。

永遠に閉じ込めて体も心も隅々まで俺のものにして、俺の深いところにまで堕ちれば良い。

ねぇ、廉。

「早く堕ちてね」



【完】



ちょっとダークネス海人を書きたかった。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←✼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
154人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんず | 作成日時:2023年8月7日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。