降り始める、雨は (ページ9)

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砂原が帰国すると耳にしてから、予め計画していたのかもしれない。

そう思わせるほど、素早い提案。

何においても、スピードで若武に敵うものはそうそういない。

「でも、お前ら今まで一緒にしてきたんだろ。俺が入っていいのか？」

「当たり前だ。例もあるしな」

たしかに、とメンバーが頷く。

「担当は、そうだな…戦闘要員と機械。潜入調査もあるだろうから、何かと活躍できるさ」

“潜入”という言葉に顔を見合わせている立花と小塚を見て黒木は、クスリと笑う。

毎度のことだが、探偵調査とは犯罪スレスレなのだ。

「なら、お言葉に甘えて。戦闘や潜入なら、訓練してきたし。とりあえず、臨時としてよろしく」

そう言って、軽く頭を下げた砂原に拍手を皆が送る。

．

．

……それにしても戦闘って、一体今度は何と闘うのか。

同じように思った上杉が若武に問うと、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに、瞳を輝かせた。

「今回、我が探偵チームが扱うのは…………」

間が長ぇよ、と上杉が若武の頭を叩く。

普段なら喧嘩が始まるところだが、今回はよほど事件に気を取られているのか、まあまあ、と上杉をなだめる始末。

，

「……今回は、生きる伝説、吸血鬼事件だ！」

……。

…………。

『はぁっ！？』

若武以外の声が揃ったのは、言うまでもない。