No.12* ページ15
･A
ミランは勉強の時間だと僕の部屋を出て行った。
また1人になった部屋で、ミランが置いていった本二冊と一枚の写真を手に取る。
｢……？｣
まず目にしたのは一枚の写真。
写真だとばかり思っていたそれはかなり精密に描かれた絵で、かなり汚れている。
横向き長方形の紙に描かれているのは二人の男性と一人の女性。
仲睦まじそうに並び、肩を組んでいる
一体誰なんだろう。
とりあえず、僕はその絵を棚の上に置いて本を開けた。
なにせ暇だ。
ゆっくり、じっくり読もう。
……────────
｢なんだ、これ……｣
全てが僕の知っているジュブ島と違う。
ジュブ島は、恐ろしい悪人たちの集まりじゃないの？
犯罪者たちの島じゃないの？
感染症患者の掃き溜めじゃないの？
｢ジュブ島は……ただの、島……？｣
本に書かれている内容は、僕が昔父様に教わったものとまるで違った。
近く100年ほど前のジュブ島の様子が細かく書かれている。
僕らの国カジ王国と同じような文明に、教育、家畜や農業。
犯罪者の送還された場所でも感染症患者の掃き溜めでもなく、ただひとつの文明。
僕の教わったジュブ島でもなんでもない。
あまりのギャップに、これは物語かと疑った。
｢……。｣
半分まで一気に読み進めた。
ミランは何故、この本を僕に見せてきたんだ。
ミランはジュブ島のことをどう思ってるんだ。
｢母様の部屋……｣
ミランは母様の部屋から取ってきたって言ってた。
母様の部屋にこの本があったのはなんでだろう。
分からない……
｢…………いや、｣
母様の母国、リース王国はジュブ島を支配下に置いていた。
十分有り得るじゃないか。
どうして気が付かなかったんだ。
だとしたらこの本の正確性の裏付けにもなる。
この本は真実かどうか、自分の目で見るまで全て信じられる訳じゃない。
だけど今まで自分が教わってきたあやふやな噂より信じる価値はある。
……こんなに、胸が拍動したのは久しぶりだ。
十何年ぶりかも。
未知って、すごく……ワクワクする。
｢ジュブ島……行ってみたいな、｣
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名無し77872号(プロフ) - スミスキーさん» ありがとうございます！しっかり伏線回収したいと思います！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - お豆腐さん» ありがとうございます！続編も出ましたので是非チェックお願いしますー！！！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
スミスキー(プロフ) - この小説面白くて凄く大好きです！！更新頑張ってください！！ (2021年8月14日 12時) (レス) id: 78ab9a25ad (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - この小説すごく面白くて大好きです！！更新されるたびにニヤニヤしながら読んでしまってます笑 (2021年8月14日 8時) (レス) id: 236bbfcab0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます！コメントめちゃくちゃ嬉しいです笑 これからもよろしくお願いします！ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぞのなか x他1人 | 作成日時：2021年7月14日 0時
