No.11* ページ14
･A
ジュブ島は…脅威の島だ。
｢感染症患者の掃き溜め、凶悪犯罪者が送還されている場所。僕は父様にそう習ったよ。｣
MR｢えぇ、ほんとに……？｣
たしか……えっと、なんだっけ、
｢ジュブ島は……怖いとこ、｣
MR｢それさっきも聞いたよ、兄様。｣
｢んと、だから……母様がこの国の王妃になるまでリース王国が、支配してた……とこじゃなかったかな？｣
MR｢そう！それだ！｣
あれ、ミランは知ってたのかな。
今、カジ王国が支配しているのかは分からない。
一切手をつけていないって噂だけど……
MR｢あぁ、えっとね、母様に……あ、いや、えっと｣
なぜだか狼狽えているけど答えが出たならいいか。
MR｢行ってみたいね、ジュブ島。｣
どうしてそうなるんだ。
僕はずっと言ってるだろう、ジュブ島は怖いところだって。
｢行きたくないよ。｣
っていうか……ミラン、
｢僕をジュブ島に送りたいの？｣
MR｢えっ！？どうして、そう思うの……？｣
｢……これ、｣
扉の隙間からたまに入ってくる新聞を広げる。
ミランは僕の手から新聞をぶんどって、目を力ませながら読む。
とても9歳には見えない顔つきだ。
新聞の内容は日によって違うけど、とにかく僕の存在をどうにかする会議や国民からの抗議、デモ、諸々。
僕の耳に直接届かない情報が全て記されている。
国民の意見は大きく3つに別れているんだって。
1つ目は、
MR｢兄様を……殺す、触れないように、殺す、｣
かなり、怖い派閥。
2つ目は、
MR｢兄様をこのまま永遠にこの部屋に隔離する……｣
この生活を一生続けるってことだ。
3つ目は、
MR｢兄様を……ジュブ島に送る、｣
これは……なによりも嫌だな。
怖い噂しか聞かないし。
でも、こんな魔法を持つ僕が行った方が島民は嫌か。
それならいっそ……死んだ方が、殺された方が……ましなのか。
MR｢兄様……これ、誰に貰ったの、｣
｢分からない。｣
分かっても、何も言えないよ。
だって、みんな僕が怖いんだ、仕方ない。
MR｢……許せない。｣
｢ミラン、怒らないで。僕は平気だから。｣
MR｢平気なわけ……っ、｣
ミラン。
君だって、そうじゃないの？
平気だって、いつもそんなふうに笑っているけど。
自分の置かれた立場に苦しくなったりするだろう。
でも、僕らは抗えないだろう。
これが……100代以上続く王家の呪いなんだ。
誰も解くことのできない、迷宮だ。
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名無し77872号(プロフ) - スミスキーさん» ありがとうございます！しっかり伏線回収したいと思います！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - お豆腐さん» ありがとうございます！続編も出ましたので是非チェックお願いしますー！！！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
スミスキー(プロフ) - この小説面白くて凄く大好きです！！更新頑張ってください！！ (2021年8月14日 12時) (レス) id: 78ab9a25ad (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - この小説すごく面白くて大好きです！！更新されるたびにニヤニヤしながら読んでしまってます笑 (2021年8月14日 8時) (レス) id: 236bbfcab0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます！コメントめちゃくちゃ嬉しいです笑 これからもよろしくお願いします！ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぞのなか x他1人 | 作成日時：2021年7月14日 0時
