おい、転校生来るってよ【stpr学園】 (ページ4)

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おい、転校生来るってよ【2】ページ4

｢ねぇ無色さん、ちょっといいかな｣

話しかけられて顔を上げるとそこには紫色の髪と瞳をした男子生徒。

透真｢えっと…｣

ななもり｢あぁ、ごめんね

僕はななもりだよ、よろしくね｣

透真｢ななもり…くん？

急にどうしたの？｣

転校初日で話しかけられるとは…

ななもり｢えっと、趣味って何かなって思って｣

透真｢趣味？う～ん、そうだな…強いて言うなら…｣

ななもりくんはうんうんと頷いて僕の返事を待っている。

透真｢絵を描くことと…ギター…あとは歌うこと…くらいかな｣

ななもり｢そうなんだ！｣

急に目を輝かせ、少年のような顔をするななもりくん。

透真｢そうだよ、それがどうかした？｣

ななもり｢試しになにか描いてみてよ！｣

透真｢えぇ…｣

僕は席を立ち、黒板に簡単にななもりくんの似顔絵を描いてみせる。

すると教室中歓声の嵐。

ななもり｢すごいね無色さん！！

すごい才能だよ！！｣

自分の絵を褒められるのは久しぶり(・・・・)だったから照れくさかったけど

すごく、嬉しかった。

口の端がきゅっと上がるのがわかった。

由奈｢……時間かけて描けばもっと凄い……｣

透真｢あっちょ、由奈！｣

由奈が手に持ってページをめくっているのは僕の愛用のスケッチブック。

と言っても、その辺に売ってるスケッチブックなんだけど。

ななもり｢どれどれ？｣

由奈の後ろから覗き込むななもりくん。

由奈｢……透真は風景も上手だけど

やっぱり人物とか、デッサンの方が好きだな……｣

ななもり｢お～、確かに～｣

透真｢あっ…あのっ…それは…！｣

両手をバタバタと振り言葉が出なくなる。

由奈｢……あれ、知らない絵が増えてる…？｣

透真｢それはダメ…！｣

僕は由奈の手からスケッチブックを奪い取り、両手で抱える。

ななもり｢無色さんwww顔真っ赤wwwそんなに嫌だった？www｣

由奈｢……透真、嫌だった…？｣

透真｢…嫌…じゃ、ない…けど…｣

やっぱり人に見られるのは恥ずかしい。

ななもり｢そっかそっか、ごめんね～｣

と、ななもりくんに頭を撫でられる。

大きくて、暖かくて、優しい手。

撫でられたあたりが、少し暖かい。

久しぶり(・・・・)の感覚だった。