マシューくんは気付かない (ページ11)

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話したいページ11

「そうだよ俺別に普通にしてるのに……そのヨンジンって子もやつも俺のファンが騒いでるっぽいんだよ〜」

「フ、ファン？？中学のときもファンまではいなかったじゃん」

「中学生ギュビンくんは密かに女子の片想い相手なタイプだったとみた」

「A、クセ強い友達だな……」

それにしたってギュビンのファンがこの件の発端だったなんて。どうりで私のところにも来るわけだ。

「ギュビンくんが人気者だとAもヨンジンも大変だね」

「Aとはまっっっじでなんにもないしヨンジンってやつのことも全然知らないのにわかんね〜な、そういうの」

「本当にね……ギュビンも大変そう」

ギュビンともうずっと一緒にいるけど恋愛の話は全く聞いたことがない。ギュビンのかっこよくない一面の方が印象の大半を占めている私でさえそれを意外だと思うのだからファンや想いを寄せる子たちが何か邪推をしたくなる気持ちは正直わかる。

「おかげで部活行ってもなーんか気まずいんだよ……先輩たちに冷やかされちゃってさ……」

「先輩に……ほんと大変だねそれは……」

部内でそういう空気になるのめちゃくちゃキツイよね……私も中学のとき大やらかししたから分かる。ああ嫌な記憶が……

「それでヨンジンがさ、先輩たちに違います！ってぴしゃっと言ってみんなでびっくりしてさ〜」

「「えっ」」

先輩たち相手に真っ向から否定したんだヨンジン……かっこいい……

「まあヨンジンもフラストレーション溜まってたのかもね〜絶対こういう苦労多かっただろうし」

「私、明日ヨンジンと話してみる！」

ヨンジンがどんな子なのかまだ分からないけど、こういうのは絶対に違う。

「ヨンジンにはっきり否定してもらったら私も噂された時にはっきり否定できるし」

「Aのそういうとこ私好きだ〜」

ソユンは私をぎゅーっと抱きしめる。ギュビンはじゃ、頑張って！！と言い残してドタバタと慌てて部活に向かった。

「僕最近Aちゃんと話せてないんだよね〜」

「Aちゃん……ってメテュの隣の席の子だっけ？」

「そうそう！面白い子と仲良くなれた！と思ってたのに最近ガールズで話してることが多いんだよ〜」

「まあ女の子だけの積もる話もあるからね」

「いつかハンビンにも会わせたいな〜ものすごく真面目なんだけどなんか奇抜？天然？って感じ」

放課後Aちゃんに話しかけようとしてもすぐ女の子に囲まれたAちゃんに「あ、マシューくんはちょっと……」とフラれ続けてはや3日、折れそうな心はAちゃんのことを話してるだけでなんだかマシになったみたい。