#秘伝書はどこだ！ ページ24
次の日からはそれぞれが新必殺技の特訓だ。
だけど、みんな上手くいってないみたい。
そんな私も必殺技がほしくないわけじゃない。やっとみんなと練習できるようになったから浮かれてるのかもしれないけどね。
イメージ……ふむ、……一応ポジションはMFになったので、ドリブルとかディフェンスの技がいいよね。
｢こう、なんかお手本になるものないかな…。｣
｢Aはどんな必殺技練習するんだ？｣
急に円堂くんに話しかけられて驚きながらもえーっと、と考える。
｢円堂くんはゴットハンドとか熱血パンチとか初めて出した時どんな感じだった？｣
｢え？俺？うーん、……ここは絶対に止めなきゃって、思って……。なんかココがグワーッて熱くなる感じ！｣
そう笑いながら自身の胸を叩いた円堂くん。
……強い気持ち。誰かのために、何かのために。
｢なるほどね、ありがとう円堂くん。私もやってみるよ。｣
｢おう！｣
コーンを並べていざ！その間をドリブルしながら走っていく。
修也くんとの特訓のおかげが難なく往復できた。
｢…もっと感覚を開けてみよう。｣
色々思考錯誤をするが中々出来ない。
ま、易々と出来たら誰も苦労しないんだけどね。
部活の終了時間が来ても私は残って練習することにした。
｢っ、はあ、はあ……！｣
もどかしい。
みんな必殺技の特訓するときってこんな感じなのかな。
円堂くんが言っていた胸が熱くなるような感覚はまだない。
……私の意思が弱いのだろうか。
私はただ、みんなに迷惑をかけないために強くなりたい。
みんなの力になれるように少しでも上手くなりたい。
帝国との試合のときに円堂くんやみんなの負担を少しでも減らせればって何度思ったことか。
｢…ずっと考え込んでてもダメだ。…よしっ！｣
ーーー
ーー
ー
それからどのくらいだっただろうか。
もう日は沈みかけていて、河川敷の電灯がつき始めていた。
さすがに足に限界が来ていたのかそのまま座り込む。
ピチャッ……
｢あれ、？…ゲッ、雨だ……。｣
雨が振られては仕方ない。今日は練習を切り上げよう。
私は雨の中駆け足で河川敷を出た。
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雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) 無印では、特に帝国学園やエイリア学園が大好きですよ! (2019年6月2日 14時) (
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作者名：きょーりん | 作成日時：2019年5月30日 23時
