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「……別に、全部が全部光太郎のこと考えてるわけじゃないし」

「えっ、そ、それはAにとって由々しき事態じゃないかっ!?」

「失礼っ!」

「じゃあ他に何を考えてそうなるんだ!?」



守沢に問われ、守沢の顔を数秒見つめてから視線を落とした。



「………勉強とか、いや〜な感じの先生のこととか」



喉にでかかった気持ちは咄嗟に仕舞い込んだ。



「む、勉強?そうか、なるほど…それならいつかまた、勉強会でもしようじゃないかっ!」

「……!」

「新しい一年生が入ってきて、後輩ができたらな…勉強ができる頼れる先輩だと思われたいっ!」

「………………」



意気込む守沢とは裏腹に、心に渦巻く戸惑いと期待は大いに崩れる。
新生活に向けて心躍らせる守沢の明るい表情に免じ、無理に口角を上げた。



「…そうだね、久しぶりにやろ」



…無理に背伸びしようなんて、こいつの前では無謀なんだった。
やっぱり細かいことは気にせず、ありのままの自分で接するのが私らしい。

こうやって、何気ない会話をする。それだけで今は、満足することができるのだと。そう思うことにした。

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作者名:5674C | 作成日時:2022年7月18日 18時

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