言葉にできなくとも伝わる思いはある ページ17
それからというもの、誰かが私を見張っている(一緒におでかけしている)状態の日々が続いている。
沖「あんたも大変だな。毎日毎日。」
『ま、私も意外と楽しんじゃってるからWin-Winだよ。』
“あ、総悟くんこれあげる”と、みたらし団子を差し出すと彼は潔く受け取った。
沖「こんな楽な任務なら毎日担当したいくらいでさァ。」
『なら、トシくんの分まで総悟くんが担当してよ。』
沖「それは無理な話でさァ。今の副長は金魚の糞そのもの。つまりはあんたに夢中ってことだ。」
『金魚の糞…か。あの鬼の副長が金魚の糞…ﾌﾞﾌｫｯ！！』
思わず吹いてしまった。
沖「…あんたに聞きてぇことがある。」
突然真面目な顔をするものだから、笑いも止まってしまった。
沖「…姉上は、」
らしくないほど弱々しく呟き、その先の言葉を絞り出せない彼の背中をそっと撫でた。
『大丈夫。元気でやってるよ。』
目を見開き、嬉しそうな、泣き出しそうな、感情が複雑に絡み合っているであろう彼は拳に力を入れ、俯いた。
『不思議とさ、私の世界では大切な人が誰一人として死んでないんだよね。』
“兄さんを除いて”と最後に付け足す。
『何か、お姉さんに伝えておこうか？』
沖「…いや、元気でやってること知れただけで十分でさァ。それに、俺の代わりに向こうの俺が伝えてくれてんだろィ。」
『そうだね。』
何か吹っ切れたような、そんな表情の彼。
沖「…A、」
それはそれは小さな声だったが、感謝の言葉はこの耳にしっかり届いた。
『どういたしまして！』
そろそろ帰ろう、と彼の腕を引いた。
沖「餓鬼扱いすんな。」
『私からしたら餓鬼も同然ですよ〜』
そんな二人の姿は姉弟そのものだった。
神「あ！A、おかえりネ！」
新「おかえりなさい。」
『ただいま〜！皆にお土産買ってきたよ！』
やったー！と駆け寄る二人に甘味処で買った団子を渡した。
銀「おけーり。」
鼻くそをほじりながら出てきた兄。
『ただいま。その手どうするつもり？』
銀「あ？どうするって…こうすんだよ。」
『うっわ！きったねぇ！最悪！死ね！』
鼻くそ付きの指を頭に擦り付けられガチギレ。
銀「あ、いいもんあんじゃねーか。」
『お前の分はねぇよ。』
銀「は？！普通兄ちゃんの分も買ってくるだろ！」
『テメーは鼻くそでも食ってろ！！』
新八と神楽はやれやれとタメ息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mugino(プロフ) - 壊さん» 壊さんコメントありがとうございます！！今日明日中には更新できると思います🔥💪お褒めの言葉とっても嬉しいです🥺ありがとうございます😭✨️ (10月19日 13時) (
レス) id: 8563ed1f80 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - あの、続き書いてくれませんか？とても面白くて、続きが読みたいです！ (10月19日 3時) (レス) @page9 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mugino | 作成日時：2023年10月10日 17時
