目を覚ませば松野カラ松になっていた件について。 (ページ9)

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NO SIDE

「どうすんの、一松」

残された五人の間で、論議が始まり、最初に口を開いたのは長男。

「は？俺悪くないし」

一松がそれに対しそっぽを向き、否定する。

「流石に今回はあれじゃない？それに記憶喪失になったカラ松兄さんちょっと変わったみたいだし」

トド松の言うことに頷くおそ松とチョロ松。

「そもそも記憶喪失になった原因も一松兄さんでしょ？」

「は？」

「だって昨日一松兄さんがカラ松兄さんに「ストップー!!」

話を遮られてぷくっと頬を膨らますトド松はおそ松に視線を向ける。

「まずはカラ松の件から解決しような」

「ケンカ、ダメ、ゼッターイ!!」

十四松はブブーッと頭上で大きなバツマークを作り、大きめな声を出した。

なんだか納得のいってない顔だけど、トド松も一松も互いを睨むのはやめた。

「とりあえず、一松！」

「...何」

「謝ってこい」

そうおそ松に言われ、一松は目を見開いた。

「は？無理、どう考えてもムリ、クソ松に謝るなんて絶対むり」

「いいから行ってこいって、これじゃラチがあかないだろ」

おそ松のトーンがほんの少し下がった。

それに気づいたトド松とチョロ松は黙り、十四松はご飯を食べる。

「それにあいつは記憶喪失で別人みたいなもんだろ？ナルシストじゃないからウザくも痛くもない..だからさ、お前のクソ松じゃないってこと」

「ッ"！！」

「ちょっ！おそ松兄さん！」

ムードが一気に悪くなったのを見て、流石にこれはヤバイとチョロ松が止めに入った。

「あーはいはい、大人気なかったねぇ」

そして一松を一瞥した後、何事もなかったかのようにおそ松は肉の消えた鍋に箸を突っ込んだ。

・・・

また沈黙が続くようになった食卓。

ガタッと立ち上がって二階に上るのは一松。

「おそ松兄さん、流石に言い過ぎ」

「何、トド松だってさっきまで一松とケンカしてたじゃん」

「それとこれは別、カラ松兄さんが記憶を失って一番悲しいのは一松兄さんに決まってるでしょ」

「ふぅん、」

ﾄﾞﾀﾊﾞﾀｯｶﾞﾝｯ

居間に残った四人は荒々しい足音が近づいてくる襖に目を向けた。

「どした、嫌われたか？」

ケラケラと笑うおそ松を軽く止めるチョロ松。

しかし一松は今まで見たことのない慌て様で、笑っていながらも止めていながらも何も言わなくても飯を食っていても、緊張感と不安は消えない。

「カ、カラ松が、カラ松がッ！消えた！」

「「「...え？」」」