11話 ページ15
『会わないか』
桧山からそう連絡が来てから丸一日。私は返事もしないままにいた。
(このままでは怪しまれる。どう切り抜けよう)
頭を抱え私は課題のレポートを出しに大学にいく。本当なら外にすら出たくないのだが仕方がない。
教授の研究室を訪れ、レポートを渡すと鼻で笑い
教授「お、やっと出したか」
「…提出期限まで余裕があったはずですが?」
教授「お前の兄ならもっと早く出すだろ。」
私が春風グループの人間だと知っている少ない人間のうちの1人である教授は私の兄、春風朝陽と私を比べる。
昔から兄と比べられるのは慣れており出来損ないだとか言われなれているので何も感じずすました顔でやり過ごすが今そんな精神、私は持ち合わせていない。
「……。」
左手を力いっぱい握りしめる。気を抜いたら、この教授を殴りそうになるからだ。唇をかみ締め一礼して研究室を後にした。
早歩きで後者を出ると校門前に高級車が止まっていた。私は目を見開くと、高級車から1人降りてきた。
「…桧山」
桧山「連絡もなしにきてしまってすまない。」
「……ううん」
本当は嬉しいが私は顔を俯かせ今酷い顔色であることを隠す。彼は1歩、また1歩近づき
桧山「何があった?」
「…何も無いよ。」
桧山「…そんなに俺らは頼りないか?」
「…っ…ちが…違う」
顔をあげてしまい、彼と目が合う。彼は私の頬をそっと触れ
桧山「寝れてないのか?顔色も悪い。病院に…」
彼に触れられて安心するが写真の事を思い出し彼の体を押してしまった。桧山を拒否してしまったことに後悔するも視線を泳がせ
「ご…ごめん。」
謝る。するとまた車から人が出てきて私にズカズカと近寄り私の手首をつかみ、
神楽「ちょっと、さっきから聞いてればっ、僕らは君を心配してるんだよ」
「神楽まで何で…」
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チナ(プロフ) - 柊さん» 柊ちゃんありがとうございます笑バレちゃいましたw (2021年2月15日 17時) (レス) id: e6c12722c7 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 続きが読みたくなる作品です!大好きです!! (2021年2月14日 20時) (レス) id: b30ab4bad1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チナ | 作成日時:2021年2月11日 22時