3話 ページ4
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取り敢えず言われた通りに、その夜は彼の車の中で寝た。寝心地は良いとはいえないけど、仮にもこんな私に寝る所を与えてくれたので、そこはあの人に感謝しかなかった。
｢あら、この子がジンが言ってた子猫ちゃん？まだ子供じゃないの｣
｢…………！｣
朝日の光に目を覚ませば、いきなり車のドアが開かれた。鍵をかけ忘れたのかと思って体を起こすと、ドアにもたれ掛かっているものすごい美人さん。まるで女優さんのようだ。
その後ろには朝から煙草を咥えている銀髪のあの人と、昨日の運転手さん。確かウォッカさんだったような。
｢あの……おはよう、ございます……｣
｢ふふ、寝癖付けちゃって可愛いわね。早速で悪いけど詰めてくれる？これから仕事なの。｣
｢あ、……はい｣
銀髪の人にお礼を言う暇もなく、これからこの人達はなにかの仕事のようだ。皆で一緒に仕事場に行くのかな、仲良いなぁ。
なんの仕事をしているのか気になるけど、それは私が軽々と踏み込んでいい領域ではないと知っていた。だから言葉には決して出さなかった。
｢おい、なんでテメェが前に座るんだベルモット……｣
｢あら、いいじゃない。その子、貴方のフィアンセなんでしょう？なら可愛がってあげたら？｣
｢ほざけ、俺はこんなガキ興味ねぇよ……｣
｢素直じゃないのね。｣
結局チッ、と舌打ちをして後部座席に乗り込んできた銀髪の人。私と彼の間に隙間はあるものの、何だか昨日の出来事で少し彼を見るのが怖いのかもしれない。私は無意識に窓の方に視線を向けていた。
『米花町』と言うこの町は、神秘的な夜とは一変して建物の看板やチラシが良く見えるようになっていた。犬の散歩をしている人もちらほらと見え、高校生らしき子達も私服を着ていた。
あ、じゃあ今日は休日なのかもしれない。
と、何ともお粗末な推理で探偵のような気分を味わっていると、しばらく走ったところで車が止まった。もう仕事場に着いたのかな。
｢テメェはここで降りろ｣
｢……へ、｣
｢聞こえなかったのか？さっさと降りろ｣
｢わ、｣
理由も聞く事も出来ず、強制的に車から追い出された私に美人さんが前の窓から五千円を握らせた。その大金に思わず、戸惑ってしまう。
｢あの、これ、｣
｢それはお昼ご飯代よ、好きな物を食べて。６時になったらここに迎えに来るからそれまで時間を潰しておいてちょうだい。｣
｢……はい｣
じゃあね、と黒の車は行ってしまった。
……これからどうしよう。
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高原(プロフ) - 海鼎さん» うわぁー！再びコメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年1月27日 21時) (
レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - イラストがうますぎて泣きそうです...！更新頑張ってください！ (2018年1月27日 20時) (レス) id: 489d0b19f8 (このIDを非表示/違反報告)
高原(プロフ) - 馨さん» そうなのです……イラストは私が描かせて頂きました！そう言って貰えて光栄です！頑張ります！ (2018年1月12日 8時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
馨 - イラストは作者様が描かれたのでしょうか...？！！？ とってもお上手で設定のページで数分ほど硬直しました.....あの絵だけで30分は語れる自信が...(( 、お話も大好きです！！！ トリップモノの中でも着目できるくらい...！！！(？) (2018年1月11日 20時) (レス) id: e10e5449fb (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - ﾌｻｧ....(髪の毛が飛んでいく音) (2018年1月4日 22時) (レス) id: ecba555ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高原 | 作成日時：2017年12月25日 1時
