4話 ページ5
コナン視点
・
１０月１５日、俺は、いや俺たちは相変わらず休日を持て余して行きつけの喫茶店ポアロで駄弁っていた。
今日は珍しく安室さんが入っているシフトの時間帯で、園子の奢りで、すでに二つ目のハムサンドを注文していた。蘭と園子の話を聞きながらパクッとハムサンドを頬張る。
｢ちょっとガキんちょ！聞いてんの？｣
｢へっ？あっ、うん！｣
｢もー、折角奢ってあげたんだからちゃんと聞きなさいよ！｣
いや、一応聞いてっけど、さっきから怪盗キッドの話ばっかで全然先に進まねぇじゃねぇか……。
まぁ、先日またキッドが現れて宝石館の有名なダイヤを奪ったって話が、朝からニュースで耐えねぇもんな。
結局お決まりで、ダイヤは返されてたけど。
と、心の中で呆れているとカランとポアロのドアの鐘がなった。思わずそちらを見ると、学生服を着た蘭と同じ年ぐらいの女子高生。
休日のこんな時間に学生が……？
窓側の1番端に座った彼女を不自然に思って見ていると、いきなり頭に拳が降ってきた。
｢い、いたいよ園子姉ちゃん……！｣
｢女の子ジロジロ見るんじゃないの！このエロガキ！｣
｢まぁまぁ園子、コナンくんもきっとお年頃なんだよ｣
｢もう！そうやって蘭が甘やかすから───｣
まぁ、ただの部活終わりの学生か何かだよな。俺の気にしすぎか。と、ずっと窓の外を眺めている不思議なオーラを纏った彼女を気にしながらも、気に止めることはなかった。
…
が、ここで事件が起きた。
さっき来た男の2人組が学生服の彼女にちょっかいを出していた。
｢君可愛いね｣とか｢連絡先教えてよ｣だとか、ありきたりな口説き文句ばかりだ。
｢なんか嫌な感じするね｣
｢ね、蘭！ヤバくなったら助けに行こ！｣
そっと作戦会議している蘭と園子をよそに、肝心な彼女を見ていると、ずっと外の景色を見ながらだんまり。っておいおい、無視かよ！
どうやら安室さんも彼女の事を気にかけてるみたいだ。入店して暫くぼーっとしたと思えば、ついさっきホットミルクティーを注文していた。つまりミルクティーを持ったまま窓の外を見てるって訳だ。
｢なんだよ、釣れねぇな｣
｢しょうがねぇ、次の店行こうぜ｣
なるほどな。喫茶店を回っていい感じの子を引っ掛け回ってるって事だな。男達が諦めて席を立った時、1人の奴の体がミルクティーを持ってる彼女の手にぶつかった。
｢……っ、｣
驚いて動いた彼女の手に、熱いミルクティーが零れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 236人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
高原(プロフ) - 海鼎さん» うわぁー！再びコメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年1月27日 21時) (
レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - イラストがうますぎて泣きそうです...！更新頑張ってください！ (2018年1月27日 20時) (レス) id: 489d0b19f8 (このIDを非表示/違反報告)
高原(プロフ) - 馨さん» そうなのです……イラストは私が描かせて頂きました！そう言って貰えて光栄です！頑張ります！ (2018年1月12日 8時) (レス) id: 07676443a0 (このIDを非表示/違反報告)
馨 - イラストは作者様が描かれたのでしょうか...？！！？ とってもお上手で設定のページで数分ほど硬直しました.....あの絵だけで30分は語れる自信が...(( 、お話も大好きです！！！ トリップモノの中でも着目できるくらい...！！！(？) (2018年1月11日 20時) (レス) id: e10e5449fb (このIDを非表示/違反報告)
海鼎 - ﾌｻｧ....(髪の毛が飛んでいく音) (2018年1月4日 22時) (レス) id: ecba555ceb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：高原 | 作成日時：2017年12月25日 1時
