45、恋愛事情 ページ9
・
「「トリック・オア・トリート！！」」
僕の前に仮装した2人の兄弟が手を出した。
僕はママに渡されて、ポケットの中に潜ませておいたチョコレートを渡す。
「「ありがとぉー！！」」
キラキラした笑顔に癒されながら辺りを見回す。
すると、キッチンの所にママとAがいた。
『アップルパイ作りたいの！』
2人でアップルパイを作ってるんだな、と
一人僕は納得する。
何だか、Aはいつもよりも嬉しそうに笑っているように見えた。
……
「「「トリック・オア・トリート！！」」」
たくさんの子供たちがママに手を差し出す。
ママは「ちょっと待っててね」と微笑んだ。
すると、Aがアップルパイを持ってやってきた。
甘くて優しい香りが漂ってみんなを癒してくれる。
みんなに均等に渡すようにとママが切って、切り分けたアップルパイをAが渡していく。
「はいどーぞ！」
Aがレイに、アップルパイを渡す。
「ん、ありがとう。って、これ凄い美味いな。」
レイが笑顔でそう言った瞬間、ぼんっとAの顔が赤くなった。
「……ありがとう。」
僕は全てを察した。
Aはレイのことが好きなんだ。
そして、レイも…
僕は2人から視線を外し、もらったアップルパイを口に含んだ。
……アップルパイは凄く甘くて、ちょっぴり苦かった。
…………
「…っえ！？！？ち、違うよ！？！？」
Aにそのことを伝えると、顔を真っ赤にしながら否定する。
「フフっA分かりやすい…。」
｢えぇ……？｣
Aは、可愛らしく頭を抱えて唸っている。
「えっ……あ…っ……そ……そんなに分かりやすい？」
チラッと視線だけをこっちに向けて言った。
｢…それは、ずるいよ。｣
｢え？｣
｢いーや、多分僕だけだと思うよ。｣
｢そっか！…よかったぁ。あ、誰にも言わないでね！！｣
Aの顔はりんごのように真っ赤だった。
「うん、もちろん。」
＿＿＿
パタパタと別の部屋に移動したA。
ズキリと痛む胸を押さえて大きなため息を着く。
｢あーぁ。最初から勝ち目なんて…なかったんだ…｣
分かりきっている事だったが、事実を突きつけられると、胸が苦しい。くっと涙をこらえて歩き出す。
＿＿＿ばいばい、僕の初恋。
…
追記 最後を書き直しました。
結構変わってると思います＜(_ _)＞
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 674人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「女主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ま る(プロフ) - ドレミさん» ありがとうございます！ (2020年8月9日 23時) (
レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - すごい面白かったです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年8月1日 2時) (レス) id: be212e7380 (このIDを非表示/違反報告)
ま る(プロフ) - 伊織さん» 嬉しいです！！(感動)ありがとうございます！！ (2020年7月10日 20時) (レス) id: daec944286 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 好きです！！（唐突）これからも楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 70033b6f85 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - lkwistervenさん» だ、大丈夫ですか…？（震）よし、私も鏡をわr((殴 (2019年11月30日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ま る | 作成日時：2019年4月25日 20時
