黒子君の双子の妹が青葉城西高校バレー部にやってきました【ハイキュー&黒バス】

２０話(>_<) ページ31

岩泉「…っ、おい！」








岩泉さんが、私の右肩をつかむ。でも決して引っ張られずに、ただ置かれてるだけ。









「…ほんと、馬鹿じゃないの…」









彼女は、さっきと同じように、今度は包丁を向けてくる。









「…だから嫌いだから邪魔……あなたが…」









また、私の方に走ってくる。









ても、さっきみたいにはもう、よけれない。









くらくらしてきた…








足に力が入らない。









視界がぼやけてきた…









岩泉「…Aｯ！！」









あ…岩泉さん…








岩泉さんの私を呼ぶ声が聞こえた時には、もう彼女は私の目の前にいた。









あぁ、こんなところで私死ぬんですか。









それならちゃんと仲直りしたかったなぁ…









A「…ごめん、なさい…」









ごめんなさい…兄さん。









「…死ね」









さようなら…









グサッ……









彼女の持つ包丁が、刺さった。









でも、私が感じているのはハサミで刺された肩の痛みだけ。









どう、いう…こと。









ぼんやりしていた目を凝らしてよく見ると、誰かが私と彼女の間に立ちはだかっている。









岩泉さん…？









違う。









違うよ。









A「…おい…かわさん…？」









及川「…Aちゃん…大丈夫？」









私と彼女の間に立っていたのは、及川さんだった。









及川さんの左腕から、赤い赤い血が流れて床に溜まる。表情も、なんとかこらえてるようで、とても自然な笑顔とは思えない。









「…そ、そんな……及川くん…なんで」









彼女は持っていた包丁を落とし、膝から崩れ落ちた。そして壊れたおもちゃのように繰り返す。








「なんで…なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで…どうして！」









床で、赤い血と涙が混ざる。その涙は、彼女だけのものじゃなかった。









A「…ぁ…お、いかわ…さ……及川…さ、ん…」









私の目の前にいるこの人は、私のせいで私のせいで








私のせいで…！









A「私の…せ、い…ごめんなさい…ごめ、んなさい…ごめんなさ、い…」









音もなく涙が流れた。そして無意識に、私は及川さんにすがりついていた。

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