あとちょっとの背伸び。 (ページ20)

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人気の少ない角っ子まで来た。

少しだけ外が見えて、落ち着く場所。

息を整える。

覚悟してたことなのに。

いつの間に彼女ができたのか。

朝一緒に来てたら、少しは違ったかな。

そんなこと思っても遅いのに。

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樹｢Aちゃん？｣

『え、樹くん？』

樹｢なにしてんの～！こんなとこで会えるなんて｣

『柚、待ってたの。樹くんは？』

樹｢ちょっと成績の話で呼ばれてた、笑｣

涙が見えないように。

こんな泣き顔、誰にも見られないように。

誤魔化して話を繋げる。

樹｢ね、何があったかは聞かないけどさ。
我慢しなくていいよ。｣

1歩私に近づく。

樹｢泣き顔も可愛いって思った俺は、相当、好きみたい、笑｣

ちょっと苦しそうな、作り笑顔。

樹｢嫌だったら、振り払っていいから｣

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他の人から見えないように、廊下に背を向け

角にいた私を、そっと抱き寄せた。