あとちょっとの背伸び。 (ページ12)

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田中くんは最後まで奢ろうとしてくれたけど

男の人が奢る、って概念私にはないから

端数だけ、出させてもらった。

『ありがとう、ご馳走になっちゃった』

樹｢Aちゃんも出してくれたじゃん。笑
むしろ、付き合ってくれてありがとう｣

『京本くんも素敵な人だったし、パフェ美味しかった
、ありがとう』

楽しくなった、と言ったら嘘になる。

好きな食べ物だったり、中学の時の話だったり、
不思議な先生の話だったり

色んな話をして、少しは田中くんをしれた気がする。

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お店の近くの駅まで送ってくれて

樹｢さすがに家まで送ったらくどいよね｣

って。

きっと彼なりの気遣いかな。

ありがとう、だけ伝えていつもの道を帰る。

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家に着くと、今日はありがとうって
さっそく田中くんからのLINEがきた。

可愛い絵文字とか使えないから、

こちらこそありがとう、って
ペコペコした絵文字を添える。

なんで田中くんは私なんかに告白してきたんだろ。

もっと一緒にいれば、田中くんを好きになるかな。

悩み事が増えた気がする。