研究その１１、体力 ページ11
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両目とも綺麗な青色だったはずの瞳が
今や右目だけが紅く、爛々と輝いていた。
その紅い瞳に映るのは白い漢数字。
「ふふ…実験は上手くいったようですね。
体調はいかがですか？No.696」
「学者さんのおかげで好調ですよ。
今のところ副作用も出ていません」
「それはよかった」
確かに見た感じ違和感はありませんし、
顔色も吐息も通常そのもの。
暴走の危険はなさそうで安心しましたよ。
「それにしても、いつも打っていた注射…
あれは薬品ではなく栄養剤だったのですね」
「何のことでしょう？」
別に知られてもいいことですが、
何となく気恥ずかしくて誤魔化してみる。
…まぁ、通用しないようですがね。
「クフフ…研究者の輩が話していましたよ。
モルモットに栄養剤を打つなんて、
やっぱりあの子供はおかしい…とね」
「おや、心外です」
道具同然のモルモットであれ何であれ、
生きていることに変わりはない。
必要なら栄養剤くらい与えるでしょう。
「まぁ、今はその話はいいですよ。
それよりも早くここを消し去りましょう」
「笑顔で凄いこと言いますね」
「ふふ…」
だって、やっと自由になれるのです。
父と母がいなくなりさえすれば、
僕がこの組織に縛られる理由がなくなる。
「僕は束縛されるのが何より嫌いです。
組織の一員であることも嫌でした」
「おやおや…それは大変ですね」
どうやら、No.696は冗談が通じる、
話し相手には丁度いい相手らしい。
良かった、バカではないようですね。
「ふふ…だから早く解放されたいのです。
No.696、武術は君に任せますからね」
「僕に？僕もどちらかというと
幻術を使う方が殺りやすいのですが…」
「あぁ、別に構いませんよ？」
武術、といっても体術ではなく
戦闘という意味で言いましたから。
「僕ら科学者は頭はいい。
その中でも僕は秀才と呼ばれてます。しかし…」
「しかし？」
「体力が果てしなくショボいのです。
ちょっと走ったら呼吸困難のレベルです」
科学者は普段外に出ませんし、
机や黒板に向かい合うことばかりするので
体を動かすこともそうそうありません。
「それヤバくないですか？」
「ヤバいです」
だからどう足掻いても体力がなくなる…
それは秀才と呼ばれる僕も例外ではない。
…むしろ缶詰にされていた分、
そこらの子供より体力がないです。
……ヤバイんですよ、マジで。
Continue…
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わかにゃん☆ミ(プロフ) - テトさん» ありがとうございます!黒猫様に比べて未熟ですが最一杯頑張ります！ (2014年9月23日 0時) (
レス) id: 734271b895 (このIDを非表示/違反報告)
テト - 続きが楽しみです!更新頑張って下さい! (2014年9月21日 18時) (レス) id: ae8e49c435 (このIDを非表示/違反報告)
わかにゃん☆ミ(プロフ) - 黒龍さん» ありがとうございます!黒猫様と共に頑張ります！ (2014年9月17日 7時) (レス) id: 734271b895 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 黒龍さん» ありがとうございます！わかにゃん☆ミ様と一緒に頑張ります！ (2014年9月17日 6時) (レス) id: bf303e5bbe (このIDを非表示/違反報告)
黒龍 - おもしろいですね!更新楽しみにしていますね! (2014年9月17日 0時) (レス) id: 44b282fc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒猫＆わかにゃん☆ミ
x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2014年9月15日 17時
