危ない蜜３【歌い手短編小説】

兄弟愛 : after the rain ★※〔ほのかさんリク〕 ページ3

『……』




私は今、目を閉じている。

それは寝ているから。


なんで起きないかと言うと
それには理由がある。








すごく、視線を感じる。



まぁ、誰が見ているのかは
大体検討付く。




…いつまでもこうしてる訳には
いかないし、そろそろ起きるか…





『……』





「あ、A！おはよ♪」






やっぱりこいつか。


瞳を開け、暗闇から光に目を向けると


そこには私の顔を覗き込んで

ニコッと微笑む男。





『…まふ兄…』






…私の兄。









「起こしてこいって言われたんだけど
可愛かったから起こせなかった！」





『いや、起こしてよ
て言うか気持ち悪いんだけど、やめて』






「冷たいなぁ……」






まふ兄はしゅんとして

項垂れた。


あれ、なんか耳と尻尾が見える






『とにかく！早く降りるよ？』





「はぁい…」





『…もう、そんなに落ち込まないで？
その…す、好きだから』





「…！
えへへ、ありがと」






心底嬉しそうに微笑んで。

やっぱ分かりやすいな。



幸せそうなまふ兄と
私の部屋、２階から

１階へ降りる。







「あ、やっと来た
遅いんだけど」





「ごめんごめん
Aの寝顔に見とれてて」





「…やっぱりお前に頼むんじゃなかった」






そう言って頭を抱えたのは

私のもう一人の兄


そら兄。





『お！良い匂いする！』





ふとテーブルを見ると

甘い匂いを纏った何か。



それにつられて

私は席についた。





「おう、今日はフレンチトースト」




『おいしそ！
いただきまーす！！』





そら兄はちゃんとしたお兄さん



そう思ったと思う。





「Aっ！！」




『え？わっ！』





そら兄が叫んで

私の口に運ばれようとした


甘い甘いフレンチトーストが
刺さったフォークを取り上げる。




『ちょっ…なっ…』





「熱いまま食べたら危ないでしょ！
ふー…ふー……はい、どーぞ」





『……』






…そら兄が冷ましてくれた
フレンチトーストを、私はパクッ食べた





『…ねえ、私もう子供じゃない』





「そんなの分かってるよ
一応だよ、一応。」






そう、うちの兄は



惚れ系兄貴と

心配性兄貴。



血は繋がってないけど。




「あー！僕もあーんしたい！」




「お前は黙って食ってろ」





『…うちの兄貴変』






その私の言葉に

二人が同時に振り向く







「あくまで兄弟愛だから」



「良いでしょ？」







END

狂気の花。 : あほの坂田●〔リク〕→←進撃の小人と巨人 : まふまふ★※〔まふらーcrewさんリク〕

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