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「龍也くん、ちゃんと食べないと退院できないよ」

「いいもん、退院できなくても」

「みんなに会いたくないの?」

「ぅ…」




みんなに会いたくないの?っという問いに言葉を詰まらせる龍也。




「食べる」

「良い子だね」




そう言って龍也の頭を優しく撫でる。




「手慣れてるねぇ」

「まぁねぇ」

「ところでさぁ、みんなって誰?」




龍也くんとの会話に出てくるみんなについて聞いてくる泉。




「あぁ、施設の子たちのことだよ」

「施設?」

「そう、龍也くんは元は施設にいた子なの」

「ふぅん、あんたも?」




予想していなかった突然の問いに一瞬戸惑う。




「えぇっと、私も元は施設にいたけど」

「その施設ってサルビア学園?」

「よく知ってるね」

「近所に住んでた女の子がその施設に入れられてたからねぇ」

「へぇ〜その子の名前は?」




何気なく問いかけた言葉。

その問いに泉は少し間を空けて答える。




「この前言った五辻Aだけど」

「その子、サルビアにはいないよ。聞いたこともないし」

「だろうねぇ」

「??」




泉の言っていることがわからず小さく唸っていると龍也くんが話しかけてきた。




「ねぇねぇ、お姉ちゃん。僕いつ退院できるかな?」

「ん〜?良い子にしてたら退院できるよ〜」

「良い子って?」

「ちゃんと先生たちの言うことを聞いて、ご飯を食べること〜」




ご飯はいや〜っと駄々を捏ねる龍也にじゃあ退院できないねっと言う。

すると退院したいから僕ちゃんとご飯食べるっと渋々頷いた。




「よしよし、退院したらみんなに会いに行こうね」

「うん!」

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作者名:ねこ | 作成日時:2018年1月1日 20時

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