思いがとおあまりふたつ ページ13
「…知らないのか?」
と訝しげに問われてなにも心当たりがないので、(いやもしかしたらさっきの廊下での出来事を見られてて避けられてるならば、まぁ私に非があるのだけど…でもそれ以外は本当に心当たりがないので)何食わぬ顔で何を、と聞き返した。
「僕は混血なんだ…スリザリンは純血主義が多いからな、どうしても浮いてしまう。」
あぁ、なるほど、ようやく合点がいった。教授は混血だったのか。確かにスリザリンの人達は純血主義が大半を占めそれ以外を見下している節がある。特にマグル出身の者には"穢れた血”等という差別用語を使うぐらいだ。
だからと言って私は差別などしたりしないのだけど。そもそも純血だろうが混血だろうがマグル出身だろうがそんなものどうでもいいのだ。血だけで判断するほど餓鬼でもないし、他人の意見を鵜呑みにする程馬鹿でもない。私は自分と関わる者に対しては自分の目で見て感じてから判断する。他人に左右されるなど不快極まりない。
『そうなんだ、そんなことでこんな遠巻きにされるんだね。』
私の声は授業が始まる少し前の静かな教室に響いた。その声に反応したのは大半がスリザリン生達でその中には廊下で絡まれた二人の視線もあった。
『そもそも、血がなに?純血や混血かそんなに大事な事?産まれたくて混血の家に産まれた理由でもないのにね。それに友達になるのに血も何も関係ないよ。』
私の言葉にセブルスくんは豆鉄砲を食らったかのような顔をした。それからなにか言いたげに口を開いたり閉じたりして難しい顔をしている。
たぶん何言ってるんだ、て言いたいんだろうけど。
『まぁとりあえずさ、調合はじめよっか!私達出遅れてる気がするんだよね。』
そう、私が血も何も関係ないと言った時にはすでに調合を始めろと言われていて周りは調合を始めていた。セブルスくんはそれほど私の意見に驚いたのか教授の話なんて眼中になく、今の今まで難しい顔をしていた。
「なっ!?すぐ始めるぞ!」
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minyon(プロフ) - 読ませていただきました。もっと評価されるべき作品だと思いました!凄く素敵な作品に出会えて幸せです! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 542a84dab0 (このIDを非表示/違反報告)
黎亞(プロフ) - エースさん» 読んでいただきありがとうございます、楽しんでいただけたなら嬉しいです。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: 6b044dd44f (このIDを非表示/違反報告)
エース - すごい!!こんな面白い素敵なお話を久しぶりに見ました! (2018年9月9日 13時) (レス) id: 51893507e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黎亞 | 作成日時:2018年8月23日 0時