第30話 ページ30
*
朝、閉じた瞼の隙間から差し込んだ真っ白な光で目を覚ます。
朝特有の肌寒い空気に少しだけ身震いをした。
ゆっくりと上半身を起こすと同時に、腰に違和感。
そして何も身につけていない胸元が顕になった。
寝惚けた頭が覚醒するに連れて、状況を理解していく。
────「…A、」
「ッ…！！！」
途端に、昨夜の記憶が不覚にも頭に浮かび、恥ずかしくなって咄嗟に体を隠した。
けれど、そんな私の腕を誰かが掴んで離さない。
「Aさん、おはようございます」
「お、オハヨウゴザイマス」
肩肘をついて此方を向く彼の上半身も、そりゃあ何も纏っていない訳で。
それを見て更に顔が熱くなったのだった。
その後、土日である今日も仕事があるらしい七海さんに朝ごはんを作るためにそそくさと起き上がって朝の支度を始めた。
シャワーを浴びに行く七海さんに、「一緒にどうです？」と言われたけれど、流石に恥ずかしすぎるので丁重にお断りしておいた。
今の私にはレベルが高すぎる。
時たま浮かぶ昨夜の記憶に顔を火照らせながら朝ごはんを完成させて、いつも通り紅茶を淹れた。
そこへいつも通りベストタイミングで七海さんが戻って来る。
そして、
「Aさん、」
やっぱりいつも通り後ろから抱きすくめられる。
毎日されていたことながら、最近はこんなスキンシップもしていなかったので恥ずかしながらも嬉しかった。
七海さんは私の首元に尖った鼻を擦り付けてゆっくりと呼吸をする。
「…ッ、七海さん」
彼はどうやら、自分の吐息に肩を揺らして反応する私を楽しんでいるらしい。
彼の名前を呼べば、今度は耳元に唇を寄せられる。
そして、彼は低く甘い声で
「名前で、呼んでください。」
そう囁いた。
「昨日は何度も私の名前を呼び捨てにしていたでしょう、恥ずかしがる事はありませんよ」
「や、言わないで、ください」
耳元に落とされる吐息と、彼のその言葉に頬が熱く火照る。
「早くしないと仕事に遅れますよ」
余裕の無い私に彼はそう言って急かすものだから、渋々と、閊えながらもそれを口にした。
「建人、さん」
それを言い終わると同時に、深く甘い口付けが私の唇に落とされたのだった。
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森 - ↓なな…なんと… (2022年2月24日 23時) (
レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 森さん» 森様、てぇてぇ頂きました！笑 お察しの通り最後のシーンはハロウィンの直前でございます…これからの二人のことはご想像にお任せ致します… (2022年2月21日 12時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
森 - てぇてぇな〜‼ ところで、これは2018年でしょうか？(ハロウィンもあっちゃったりしちゃいます？) (2022年2月19日 1時) (レス) @page3 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - emiさん» ひぇ、、なんと……（震」 (2022年1月27日 18時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - たろ。さん» たろ。様、コメントありがとうございます！何だかんだ五条先生は後輩思いだよなという私の解釈を盛り込ませていただきました笑 実はこのお話の後、あのハロウィンが来てしまうのです……(ﾄﾗｳﾏ) (2022年1月27日 17時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emi | 作成日時：2021年3月3日 6時
