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私は浅草が好きだった。
まだあの煌びやかな洋風の建物の立ち並ぶ繁華街は苦手だけれど、
一歩路地を潜れば、あの煌びやかな世界と一変、落ち着いた日本家屋が立ち並ぶ。
この場所が、私のお気に入りだ。
歌舞伎の公演が始まるのは夕刻。
まだ昼前の現在、時間はたっぷりと残されていた。
クイッと繋いだ手を控えめに引っ張れば、彼はすぐに気付いてくれた。
「あの、まだ時間もありますし、ご飯でもどうです？」
「うむ！そうだな！どこで食べようか？」
「それなら、私のお気に入りの喫茶店があるんです。そこで如何でしょう。」
「A殿の行きつけか！では行こう！」
張り切って歩を進める煉獄さん。
繋がれたままの手が揺れる。
その度に、何故かトクトクと心臓が脈打って顔が熱くなった。
恥ずかしながら、男の人とこうやって触れ合ったことが今まで無かったので、こういう時どうすればいいのか分からない。
何か気の利いた事を言ったり、可愛い仕草を見せたり。
そんなことが出来ない自分が不甲斐ない。
けれど、彼は全くそんなことは気にしていない様子で、それが私の心を救った。
「彼処です、あの角のところ」
「いい店構えだな！」
そう言って彼はまた、私の手を引いた。
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emi(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます！感動させられるようなお話を作るのが目標だったのでとても嬉しいです！これからも精進させていただきます！ (2021年1月30日 19時) (
レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙が出て止まりませんでした。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - あさこさん» ありがとうございます…！あさこ様を感動させることが出来て本当に嬉しいです！きっと幸せに暮らしていますよ！コメントありがとうございます！ (2020年11月8日 23時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - とても美しい物語で一気に読んでしまいました！途中から涙が止まりませんでした、来世で2人が幸せになってくれることを心から祈ります(´；ω；`) (2020年11月8日 22時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ゆきえもんさん» 読んでいただきありがとうございます！！読み直して気が付きました…記憶が曖昧なまま書いてしまってました……ご指摘本当にありがとうございます！！ (2020年11月8日 6時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：emi | 作成日時：2020年4月23日 21時
