君と出会ったその時から

違和感 ページ39

君香side

2週間後

冷たい風が頬を刺すような帰り道。
「あぁ…。」
周りには誰も居ないのでこんな気の抜けた声が出てしまう。
やっとテストが終わった。
中3ももう後半。
そろそろ高校受験が現実味を帯びてくる。
この前のテストの結果がかなり悪かったのでここ最近はスマホを弄っていなかった。
もちろんラインは放置。
そうじゃない連中も居るが…。
自習の時間、何人かの女子がクラスの女子のグループラインで話題になったらしき事でずっと騒いでて先生に呆れられてたっけ。
…そういえばその中に聖奈も混ざってたなぁ。
転校して数週間でもうクラスの女子の中心になっている。
単純に凄い…がやっぱり何か怖いんだよな…。

色々考えてるうちにいつの間にか家の前に居た。
鍵を開けて、すぐさま2階の自分の部屋に行く。
ベッドにボスッと音を立てて倒れ込みながら、スマホの電源を入れる。
テスト終わったし…今日ぐらいはだらけても良いよね。
真っ先に確認するのはラインの通知。
そこに表示されていたのは予想の何倍も少ない数字だった。
おかしい…あんなにラインの話題でギャーギャー騒いでたのに。
件のグループラインを開いてみると、そこではほとんど会話されていなかった。
せいぜい持ち物の確認ぐらいだ。
「3−5のラインでさ〜」って言葉の切れ端が聞こえてたから絶対ここでしゃべってると思ったのに。やっぱりおかしい。
アイツ＿＿聖奈が絡んでるのか？

スマホ→←偽物？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す