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ろく ページ6

「はい、これで診察は終わりよ。結果をまとめる作業があるからしのぶのところへ行っておいで」
カナエさんは私の頭を優しく撫でる。
私は嬉しくてつい笑顔になった。
「ありがとう、カナエさん! じゃあお姉さんのところに行ってるね!」
そういって戸を開け、お姉さんが隊士さんの治療をしている部屋へ走る。
ちなみにカナエさんのお名前は、さっき教えてもらった。
胡蝶カナエだって、やっぱりお姉さんのお姉さんだった。
「お姉さん! 終わったよ……ってその人誰?」
「終わりましたか。この人は冨岡義勇さんです。冨岡さん、少しお待ちを。私は結果を見てきます、ここでおとなしくしていてくださいね」
「わかった! 行ってらっしゃい、お姉さん!」
お姉さんが部屋を出ていく。
私はついさっきまでお姉さんが座っていた椅子に腰掛ける。
そうすると必然的に冨岡義勇さんと向き合う形になる。
(顔、整ってるなぁ……)
すると冨岡義勇さんが突然口を開く。
「お前は、誰だ」
「私は東條Aだよ! 私鬼殺隊に入りたいの! だからここに連れてきてもらったの、冨岡義勇さん!」
「……鬼殺隊への道は、決して甘くはない。それでもいいのか、東條」
「……いいんだよ。私、絶対めげないから。大切なお父さんとお母さんを殺されたんだ、私。だから、頑張るよ。心配してくれてありがとう、冨岡義勇さん!」
そう思いを口にすると、冨岡義勇さんはいった。
「……義勇」
「へ?」
「義勇でいい」
私はにっこりと笑った。義勇さんもちょっと笑った。
「よろしくね、義勇さん!」
そのあとは沢山義勇さんとお話しをした。ほとんど私が話して、義勇さんが相槌を打つ形だったが、随分盛り上がったように感じた。
話の途中で、お姉さんが戻ってきた。
どこか険しい表情だった。
「Aさん、来て、頂けますか。あと、冨岡さんは、また後日でもよろしいですか」
義勇さんは何かを察し、頷いた。
「あぁ」
そういって部屋を出ていった。
二人の雰囲気に、私は少し怯えた。
「では、行きましょうか」
お姉さんに手を繋いでもらい、部屋を出て廊下を歩く。
そしてカナエさんの部屋の前に着いた。
「姉さん、入るわよ」
お姉さんはそう声をかけ、戸を開けた。
そこにはお姉さんと同じく険しい表情のカナエさんがいた。
カナエさんは私にいった。
「よく聞いてね、Aちゃん。あなたは、鬼よ」
━━私は、鬼。

なな→←ご



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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:カナリア | 作成日時:2019年11月5日 23時

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