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私がひとしきり泣いたあと、お姉さんはいった。
「では、思わぬところで時間を消費してしまいましたので、急ぎます。」
「面目ない……」
「背負いますね、私の方が速いので」
「はーい、お願いしまーす」
そういってお姉さんに負ぶさる。
するとお姉さんはものすごい速度で走りだした。
「うわぁ! お姉さん、すごい! すごいねえ!」
「うるさいです。これなら五分程度で着きます。静かにしていてください」
「はーい」
こうして静かにすること約五分。
蝶屋敷前に到着。
「ここからは自分の脚で歩いてください。私は少し、疲れました」
「ありがとう、お姉さん」
そういって背中から降りる。
とても大きな屋敷だ。
「では、案内します」
お姉さんは門をくぐり、歩いていく。
私もそれについて行こうとした、そのとき。
ひらりと一匹の蝶が私に近寄ってきた。
「っひぃいいぃいぃぃぃ!」
舞い寄る蝶を全力で避ける。
避けたのに、また追ってくる蝶。
「ちょ、どうしたんですか。ただの蝶です、落ち着いてください。落ち着いて、落ち着きなさいっ!」
蝶が追い、私が逃げ、お姉さんが叫ぶ。
暫くそんなやりとりを続けていると、
「あらぁ、しのぶ。おかえり」
柔らかな声が聞こえた。
すると、その声の方に蝶は飛んでいき、お姉さんの声は止んだ。
「だあれ?」
私は問う。
声の主の姿を捉え、もしかしたら、と思う。
「お姉さんのお姉さん?」
「? しのぶ、どういうことかしら?」
「ああ、ごめん姉さん。説明するわ。」
そして私を指した。
「この子が鴉で説明した東條Aさん。鬼殺隊入隊希望よ。でもその前に、昨日保護したときに、傷がたくさんついていたから、まず、療養から入ろうと思うわ」
その説明を聞き、お姉さんのお姉さんは戸惑う。
「でも、しのぶ。その子、傷一つついてないように見えるけど……」
「えっ、嘘」
私は着物の袖を捲ってみる。
その腕には、昨日、あったはずの傷は綺麗さっぱりなくなっていた。

ろく→←よん



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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:カナリア | 作成日時:2019年11月5日 23時

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