検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:28,393 hit

十三 ページ13

「Aちゃん、機嫌を直してくれないかしら」
「嫌です。私はお姉さんと同じがいいです」
「いい加減、聞き分けたらどうなの」
「……」
今は夕食を食べている。
けれど、昨日とはまるで違った雰囲気。
あの後、カナエさんに、なぜ、蟲の呼吸ではだめなのか、一から説明してもらった。
でも、私を鬼から守ってくれたあの姿は、とても憧れで、どうしても私は蟲の呼吸を習得したくて意地を張っていた。
「ご馳走様でした」
私はそういって、食器を台所まで運ぶ。
カチャンと食器を置き、自室に戻ってベッドにくるまる。
「……」
十分ほど時間が経つと、廊下からバタバタと足音が聞こえてきた。
その足音は私の部屋の前で止み、バァンッ、と勢いよく扉が開いた。
そちらに視線を移すと、目に入ったのはお姉さんだった。
ずんずんこちらへ歩いてきて、私の頬を叩く。
「お姉……さん。ど、どうしたの」
「……いつまでも甘ったれないでください! 私がどんな思いで蟲の呼吸を習得したか、あなたにわかるんですか!? 私は、花の呼吸が使いたかった……でも、それにはあまりにも非力だった! 花の呼吸が使えるかもしれない可能性を、あなたは持ってるの! 私には、もう可能性は残ってない……なのに……なのに、あなたは……」
私の肩に手を置いて、震えながらいう。
「お姉さん……わかったよ、私、花の呼吸を習得する。私の考えが甘かったんだよね。使いたくても使えない人の気持ちなんて考えなかった。……ごめんなさい、お姉さん」
お姉さんは私を見る。
その目には、涙が浮かんでいた。
「……ありがとう」

━━━━━━━━━━━━━━━
鬼滅好きあるある
柱が音読みで読めない

十四→←じゅうに



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カナリア | 作成日時:2019年11月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。