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ステージを終え、控え室へ戻りメイクを落としながら先程のステージを振り返る。
あそこのステップが少し遅かった、でもあのステップは最高だったかな。
もっと手を綺麗に揃えられたはずなのに、でもあの蹴りは最高だったかも。
「でも、とりあえず成功してよかった。」
達成感に包まれ、椅子へ吸い寄せられるように座り一人反省会を終える。
ふふふ〜ん♩と鼻歌を歌いながら荷物をまとめていると、ノックの音が聞こえる。
「？誰だろ。どうぞ〜！」
ゆっくりと開いた扉の奥にいた人物に思わず身体が固まる。
「はじめまして。私はパン・シヒョク。BIG HITエンターテインメントの会長をしています。」
前世で何度も聞いたその名前に混乱し思考が停止する。
あの防弾少年団の生みの親が何故ここに？
目の前の彼は混乱している僕に気付くことなく名刺を渡してくる。
慌てて名刺を受け取ると同時にようやく思考が動きはじめる。
「は、はじめまして…。僕はカン・Aと申します。」
「知っているよ。実は先程のステージを見させてもらっていたんだ。それで、早速なんだけどキミに防弾少年団というグループに入ってもらいたいんだ。」
……？？？
爆弾発言の数々に思考が追いつかない。
ええっと、これは夢か何かかな？
生粋の夢思考持ちARMYだった前世で何度も何度も妄想したシチュエーションが現実になっている…？？
混乱しすぎて無言になっている僕を目の前のパンPDは怖がっていると受け取ったのか、とても優しい声色で説明を続ける。
「実は近々男性アイドルグループを私の会社からデビューさせようと思っているんだ。良ければキミもその一員としてデビューしてもらいたい。」
「……ちょっと考えさせてもらってもいいですか？」
「嗚呼！もちろんだよ。連絡先だけ交換してもいいかい？」
ぎこちなく頷いてから、自身の携帯電話へパンPDの連絡先を追加する。
…僕、詐欺にあってるのかな…。
「ありがとう、また話そう。」と言いながら扉の奥へ消えていくパンPDを呆然と眺めながら思い切り頬をつねった。
＿＿＿＿「痛っ！？えっ夢じゃないんだけど！？」
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作者名：ヒョナ | 作成日時：2022年9月13日 2時
