人生２周目はトップスター (ページ7)

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パンPD side

たまたま近くを通ったから、という理由で寄ったにぎやかな祭り。
中央に設置された大きなステージでは様々なダンサーやアーティストが多種多様なパフォーマンスを披露している。

計画中のとあるプロジェクトの参考になるのでは無いかと考え、吸い寄せられるかのようにステージへ近づく。
丁度次の出演者がはじまるところらしい。

少し小柄な少年には大きいだろうステージの上で、カン・Aと名乗った少年が大きくお辞儀をする。

数秒程頭を下げた後、彼がゆっくりと顔を上げる。
その時、衝撃が走った。

ただ顔を上げただけなのに、彼はただポーズを決めているだけだというのに、惹き付けられて視線を外せない。

最初はゆったりとした曲調に合わせ身体を動かしていた彼はだんだん激しくなっていく音と共に動きも大きく激しいものへと変えていく。

アクロバティックな動きをしながらステージの端から端まで移動する彼は、ヒラヒラと舞う衣装も相まって実際の体格よりも大きく見える。

彼はコロコロと変わる曲調に合わせ、ステージの空気も変えていく。
曲が終わり、彼のパフォーマンスも終わる。

彼は開始時と同じように深くお辞儀をした後、人懐っこい笑顔で手を振りながら舞台裏へ去っていく。

きっと時間にしたら五分弱。
なのにここまで観客を惹き付ける。

これは絶対に逃せない。
彼はあのグループに必須の人材だ。

なんとしてでも彼は連れてこなければ。

思わぬ拾い物をしたと笑う口元が抑えられないまま彼の楽屋へ向かった。

パンPD side 終