【HQ】ギターガール2

3話 終止符はまだ ページ14

『…ふう』

朝久しぶりに遅刻せずに校門をくくった。昨日もその前の日もその前の前の日も来たのにやけに学校が懐かしく見える。

ずり落ちたギターをまた肩まであげようとした。

スっと一瞬浮いてうちの肩にまたかかったギター。
後ろをヘッドホンを外してみる。

『…おはようさん。奏』

奏「おーおはよう」
「なんか久しぶりやな」

『…せやな』

奏「やーーーっとAも復帰やで」

『…文化祭頑張ろうな』

奏「！」

『…？』

奏「なんか変わったなA」

『…そうか？』

奏「うん。なんかうん。変わった」

『…何がやねん』

フッと笑みを漏らすと固まった奏はまたフッと笑って隣を歩き出した。

・

侑「お願いやぁー！」

朝ぶりのAです。放課後、環と部活に行こうとしたら案の定侑が待っとって捕まりました。

ほんで捕まった理由が

侑「なんでマネ続けてくれないん！！」

コレ。

『…臨時て言うたやろ』

侑「やってAマネ楽しそうやったやんか」

環「Aも大分好かれたなぁ」

『…良くない方の好かれた方やな』

侑「お願いーーーー」

『…うち軽音部やねん。やっと復帰出来るんやで』
『…ギター。ウチ好きやからやりたいねん』

侑「…」

『…あんたらはバレーが好きやからやりたい
…うちはギターか好きやからやりたい』


『…ウィンウィンやろ』

両手でパーを作ってパチンと音を鳴らす。すると
侑は眉間に皺を寄せながらこっちを見た。

侑「わかった…やけど暇やったらマネ来てな！！」

『…うん』

侑「…ギター楽しめよ！！」

捨て台詞のように吐くと侑は走っていってしもた。

環「アイツ絶対ええ奴やろ」

『…めっちゃええ奴やで』

・

カンカンカンカン

環のバチの音がなる。そしてうちと雅の音が鳴りだした。そこに環の音が重なる。


奏の息を吸う音が僅かに聞こえる。

奏「今日は午前3時 君とのLINEを開いて
眠りにつくよ 静かな夜に 何も見えない 静かな

画面を 叩いて 叩いて 触れて 黒く塗りつぶした



何も聞こえない 何も見えない 」

「はやく聞きたい 君の鈴を 君のコロコロ転がる

鈴を 昨日で 一瞬で終わりにしたくて はやく 答えてくれないかな 好き 私も の二言で 終わる」

「昨日を過ごしたかった」


「明日には 返事が来ると 信じて眠りにつくよ
音を奏でる 心臓は無視して 眠りにつくよ

聞きたいのは 君の鈴の音」

「何も聞こえない 何も見えない はやく聞きたい 君の鈴を 君のコロコロ転がる

鈴を」

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