かまぼこ隊とヨコハマ【鬼滅の刃】【文豪ストレイドッグス】

溜息をつきたい。いや、実際にしたわ ページ5

明日の朝から校門前で服装チェックをするように仰せつかった。正直、やりたくない。本当にやりたくない。思わず溜息をついてしまう俺は何も悪くない。


「溜息をついてどうしたんだい？ 悩み事かな？」


俺に話しかけてきた彼は太宰(だざい)治(おさむ)。今日転校してきた人らしい。異様に話しかけてくるイケメン。正直、怖いし滅びろと思ってる。


「絵が進んでないねぇ」


余計なお世話だ、そう言いたいけど言わない。ギクシャクするのは嫌だからね。

1時間目、美術。担当教師、宇髄(うずい)天元(てんげん)。デッサンの時間だ。美術室の筈なのに何か焦げあとがあるのはこの際突っ込まない。きっと宇髄さんのことだ。何かやったのだろう。

林檎をデッサンしていて、俺はそれを今描いている。それを態々、覗き込んで見てくる太宰さん。そこまでして見たいのか。大して上手くないのに。

太宰さんはどんな絵を書いているのだろうと覗き込んでみた。どこをどう見ても林檎には見えなくて、この人は一体何を見ているのか少し心配になった。そんな彼はニコニコ笑っている。どこに笑う要素があったのか。


「俺の授業で喋るとはてめぇら中々、勇気あるな」


出た、美術教師宇髄天元！！ 今回も嫁三人とか無いよね！？ 一夫多妻制はもうないからないと信じたい！！ ていうかこの人も記憶もちじゃないのかよ！？ 何なの？ 何なの？？ 神は俺を殺したいの！？ この人殺し！！！！


「おい我妻。もっと絵にインパクトをつけろ！ そう太宰ぐらい派手にな！！」
「いや、それもう林檎じゃないでしょ！？ 林檎描かないとじゃん！！」
「あ？ 何言ってんだ。派手な方がいいじゃねえか」
「一度、林檎を見直した方がいいと思います。派手な要素なんて一欠片もないから」
「………………」
「ぎぃぃぃいやぁぁぁああ！！」

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