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駆け抜けて ページ15

【?side】

走って、走って、走って、走って。
暗い道を駆け抜けて、駆け抜けて、駆け抜けて、駆け抜けて。
ナニカから逃げていた。そう、逃げてるんだ、俺は。見たことのあるようなナニカ。思い出そうとしても思い出せない。けれど、捕まったら終わりだと体は心は告げていた。


「お兄ちゃん、あれ何!? ヒトじゃないみたい!!」
「禰豆子! 振り向くな、前を見て走れ!! あれが何だか俺には分からないけど…捕まっちゃ駄目のような気がする!!」


思い出そうとすると頭が痛む。そして「思い出さないでくれ、炭治郎」と悲しそうな声が聞こえるんだ。何処かで聞いた事のある声。思い出したい。けれど、どうやっても思い出せなかった。


「きゃっ!!」


禰豆子が石につまづいて転んだ。俺と禰豆子の足が止まる。その内にナニカはジリジリと俺達との距離を詰めて来ていた。


「おい、邪魔だ退け餓鬼」


低い声が聞こえる。俺達の後ろからだ。振り向けば帽子を被った男の人が歩いてこっちに来ていた。

そんな人を見て俺の口は意図もせず、勝手に動く。


「駄目だ、こっちに来ちゃいけない!! 鬼だ、鬼に殺される!!」


鬼ってなんだ? 自分で言った筈なのに、内容を理解出来ていない。まるで自分が自分じゃないみたいだ。

男の人はそんな俺の言葉を聞いて愉しそうに顔を歪めた。


「ほォ。いいじゃねェか。丁度、人間は弱過ぎて飽き飽きしてたンだ」


強い意志の匂いがする。それに彼は優しい匂いだ。きっと何人も人を殺めてきているだろう彼からは途轍もなく優しい匂いがした。きっと彼は俺達を助ける為にあんな事を言ってくれている。

――色変わりの刀さえあれば戦えるのにっ!!

色変わりの刀? なんだそれ。初めて聞いた。駄目だ、分からない。分からない。鬼ってなんだ?色変わりの刀ってなんだ? 駄目だ、頭が痛い。まるで思い出すのを拒否しているかのように。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」


禰豆子に揺さぶられて、現実に戻った。

雷のような金色→←帰り道



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中園凉子(プロフ) - 意味がわからなくなってきた……… (2020年3月25日 21時) (レス) id: 053220dd71 (このIDを非表示/違反報告)
鈴谷 - 炭治郎がかわいすぎるんです! (2020年3月6日 20時) (レス) id: 8f18db08aa (このIDを非表示/違反報告)
るFれん - お久しぶりです、るFれんです。別idで失礼します。ページ38を見たのですがタイトルが猪ではなく狼になっている気がします。私が間違っていたら忘れてください。応援してます(*^▽^*) (2020年1月5日 13時) (レス) id: c28cc0defe (このIDを非表示/違反報告)
riria(プロフ) - 冨岡さん ww Gてww (2019年8月28日 21時) (レス) id: abdebcbe61 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 義勇さん…仲良くなりたいがため、ストーカーを???? (2019年8月6日 22時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年7月4日 1時

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