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現実は厳しかった過去 ページ4
異能力特務課の父と母が死んだ穴を埋めたのは私達だった。まだ小さくて収入源の無い私達は生きる為にも特務課に入るしか無かった。
兄は躰が弱かったから、体術とかの訓練はさせられてなかったけど、戦法とかそこら辺の奴はかなり教えられてた。
私も体術でボロボロになった躰に毒を投与される毎日で正直最初の方は黄泉比良坂がよく見えてた。
けど、体術もやってるうちに勝てるようになったし、毒にも慣れてきて苦しむことは減った。昔の日常とはかけ離れたけど、兄と共に助け合いながら日々を暮らしてきた。
父と母が死んだ苦しみは忘れていない。けれど、二人の居ない日常に慣れてしまったのが酷く哀しくて。時々、急に泣き出してよく兄を困らせてた。
兄は躰は弱かったけど心は強かった。昔から面倒を見てたのは私の筈だったのに、気がつけば立場は逆転してたりと、優しくて自慢の兄だった。
そんな兄も病には勝てずに私が暗殺部隊隊長に昇格したその日に死んでしまった。
もう、心を支えてくれる者は居なくなった。
心がぽっかりと空いた気分だった。
酷く気持ち悪かった。
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