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第2話 ページ2

「何、当たり前のようにテメェは居座ってンだァァァ!!」


甲高い叫び声と共に、野太い声の叫び声、そして大きな図体が宙を舞った。


「おいおい。またやってるよ」
「もう見慣れた光景ネ。違和感すらなくなってしまったヨ」
「…あれでも警察なんですよ。世も末ですよね」


グホォと血を撒き散らしながら、宙を舞った男──近藤勲を見て、万事屋の3人は呆れた様子で茶を啜る。


「お、お妙さん!! 違う、違うんですよ!!」
「アアン!? 何が違うってんだ、このストーカーゴリラァ!!」
「確かに俺はお妙さんの愛の追跡者(ハンター)だ!! だがしかし、今日はお妙さんに会いに来たのではなく…万事屋に会いに来たのです!!」


万事屋の従業員の1人である志村新八の姉、お妙は華奢な腕を大きく振り上げ、近藤勲へと落とそうとすんでのところでやめる。細い腕の一体どこに力を隠しているのかは見当もつかないが、その一撃を食らったら近藤は一溜りもない。慌てた様子で近藤は言った。

対して、近藤に呼ばれた万事屋は実に嫌そうな顔をする。特に、経営者であり社長である坂田銀時が。


「え、何。嫌だよ。ゴリラの事依頼なんて俺ァ受けないよ。だってマトモじゃないもん。お前税金泥棒だもん」
「銀さん、いい歳こいたおじさんが「もん」って…見苦しいですよ。それに、家賃だって滞納してるんだから、仕事選べませんから!」
「でも税金泥棒が私達に頼みなんて珍しいアルナ」
「いやあ、それが結構深刻な悩みでよォ。なあ、トシ」


トシと呼ばれた男性──土方十四郎はいつの間にか縁側から志村家に入ってきたらしい。縁側のそばの柱に背もたれタバコを吸っていた。


「この人当たり前に他人の家入ってきてるよ!!」
「土方さん、人の家でタバコはやめて貰えます? 副流煙で新ちゃんに何かあったらどうするんですか」
「困ったことになった」
「土方さん?」


お妙の圧を受けた土方は何食う顔でタバコを消した。

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作者名:フ瑠ラン | 作成日時:2021年8月6日 10時

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