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6話 ページ6
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弱音を吐かず、ボクの課した課題をこなす実弥をボクは黒い煙管を吹きながら縁側で見ていた。
年中咲き誇る藤の花は鬼よけだ。元々、ここは藤の花が咲いている山ではなく、彼岸花が有名だった山だったので、所々彼岸花も咲いている。
二山分程ある、広い庭。家もそこそこ広くて屋敷みたいに入り組んでいる。それを見た実弥のあの絶望した表情は今でも忘れない。腹抱えて笑ってやった。
結局、与えた仕事の半分も出来ずに倒れるものだからため息しか出ない。まあ、そりゃそうだよな。こいつ、歳で考えると10そこいやだろうし。
気絶した実弥を抱え風呂場まで連れていくと水を張った浴槽に落とした。最初は沈んでいった実弥だが、息苦しさで起きたのだろう。飛び起きてた。爆笑爆笑。
「てめっ、何す──」
「寝るならせめて半分をこなしてからだ。ばてるのが早すぎ」
ボクは実弥の抗議の声を聞かず、風呂場を後にした。
──君は上弦の壱を殺せるぐらい強くなって貰わないと困るんだよ──
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